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真の歴史へ・その二

それから数日後

六道家敷地内において果たし合いが行われる日

横島達は事務所のメンバー総出で見学に来ていた


「なんちゅう馬鹿でかい家だ…」

「お掃除大変そうですね…」

「六道さんの家にはたくさん家政婦さんが居ますから、お掃除は家政婦さんがやってるはずですよ」

雪之丞はあまりの広い家に顔が引きつっており、小鳩とおキヌはあまりの広い家に、掃除の話題で盛り上がっていた



「鬼道政樹です。 よろしゅうお願いします」

鬼道は和やかに会話する横島達をジロッと睨んで自己紹介する


「これはわが鬼道家と六道家の命運をかけた真剣勝負! チャラチャラした女子供を連れて来るとは関心しませんな」

鬼道父も横島達を睨みつけて、イヤミたっぷりの笑みを浮かべた


「うふふ… 彼は横島忠夫君よ~ 名前くらいは知ってるでしょう~ 他の子達も強いわよ~」

まるで自分の事のように自慢する冥菜

別に横島は六道家の関係者では無いが、横島の師匠として有名な唐巣は六道家の関係者として有名である

その弟子の横島がこの場に居るだけで、鬼道に六道の力を見せつけるには十分であった


「ほう… 噂とは随分違いますな。 あの程度の力しかない者だとはね」

鬼道父は横島を馬鹿にしたような笑みを浮かべるが、鬼道は興味深げに横島を見つめていた


(あの程度の力な訳が無い。 後ろの目つきの悪い男や女の子の方が霊力が高いはずは無いやろ?)

横島とルシオラ達は一般人並に力を抑えている

そのため中途半端に霊力を感じる者には、雪之丞やおキヌ達の方が霊力が高く見えるのだ


その不自然さに鬼道は気が付くが、直接関係無いため特に口にはしなかった


「鬼道ちゃんは相変わらずダメね~ 霊力を抑えてることもわからないなんて~ そんなだから何やってもダメなのよ~」

冥菜は軽い調子で笑っているため、鬼道父は余計にイラついた表情を浮かべる



そんな感じで冥菜と鬼道父は昔話をしていく

鬼道父が求婚して断られたとか、事業に失敗してお金を貸さなかったとか、事業失敗の原因が六道家だったとか…

冥菜は遠慮なく鬼道父の傷をえぐってゆく


「わしはこの日のためにせがれに鬼のように厳しい修行をさせて来たんや!!」

鬼道父は冥菜への恨みをぶつけるように絶叫した



そんな冥菜と鬼道父の口げんかを、横島達は苦笑いを浮かべて聞いている


「あいつは自分の行動が不幸を呼び込んでるのに何故気付かんのや…」

少し憐れみの目で鬼道父を見ていたのは貧であった


「あの口げんかはどうでもいいですが… 雪之丞さん達は戦いをしっかり見て下さいね」

あまりのくだらない言い争いに、小竜姫は少しため息をついたが本題は本題としてしっかり見るように伝えた


「冥子さん大丈夫でしょうか」

冥子イコール暴走と言うイメージしかないおキヌは、しっかりした鬼道を見て少し心配そうである


「鬼道には鬼道の良さがあるし、冥子ちゃんには冥子ちゃんの良さがある。 それも探してみるといい。 あそこまでタイプの違う式神使いも珍しいからな」

横島が軽く話したアドバイスを聞いて雪之丞達は考え込む


「横島君はどっちが勝つかわかってるの?」

「まあな…」

愛子の問いに横島は少し苦笑いを浮かべたが、それ以上語らなかった

実はこの果たし合いは、未来を知らなくても初めから結果の見えてる戦いなのだから…

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