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二年目の春・6

翌日の木乃香は両親と朝食を食べてお昼までの時間に覚えた魔法を使ってみせたり両親から東洋系の術について教わったりしながら時間を過ごす。


「しかしまさか他人の身体を外部から操り魔法使う感覚と能力を教えるとは……。」

「力の共鳴? 一歩間違えると死ぬわよね?」

ただここで明らかになったのは話としてそれなりに聞いてはいたが、木乃香から詳しく聞かされた横島の非常識さである。


「やっぱり普通やないんやね。 エヴァちゃんが他で言うたらあかんって言うてたわ。」

「横島君の世界だとどうか知らないけどこの世界では誰も出来ないし、もし出来ても禁術になるだろう。 危険すぎる。」

「多分横島さんだけやと思うわ。 これで横島さんの世界の映画とかドラマとか見ても誰もそないなことしてへんもん。」

頭を抱えるような両親に木乃香は改めて横島が鼻唄混じりにしてることの非常識さを理解するが、非常識なのは横島であって横島の世界は結構普通であることを腕時計型通信機による異空間アジトのデータベースへのアクセスにて横島の世界のドラマなどをよく見てる木乃香は知っていた。

なお詠春と穂乃香にも同様の腕時計型通信機は渡されているものの、いろいろ忙しい二人は腕時計型通信機で横島の世界の一般的な情報が見れること知らなかったらしい。


「そう言えば一昨日システムのアップデートがあってからハニワ君のマスコットが出てきてよくしゃべるんだけど。」

「それ機能を使いこなせへん人多いから追加したみたいや。」

「起動させる度に中でテレビとか漫画見たりゲームしてるのも仕様なの?」

「人工知能や言うてたわ。」

穂乃香に関しては立場から和服で人前に出るときは腕時計型通信機を外すこともあるらしく、本当に第二の携帯電話くらいにしか考えてなかったようだ。

ただ一昨日のアップデートからメイン画面にハニワ兵が居て起動させる度に中で遊んでるらしく、それが何なのか気になっていたとのこと。

横島がちょっと変人なのは今更だし可愛いので別にいいが『暇だぽー』と言いながら愚痴ったりするのは必要性が理解できないのだろう。

理由としては茶々丸型AIをハニワ兵の基本的な性格や性質に合わせたら暇なのがあまり好きではない遊び心あるAIになっただけらしいが。


「……まあ、みんなで仲良くしてるなら何よりだ。」

結局詠春と穂乃香は横島が何かするのをいちいち気にしてたらきりがないと頭を切り替えるも、木乃香達が横島と上手くやってることにはホッとする。

詠春としてはいつ横島が娘に手を出すのか、はたまたもう出したのか気になるし心配にもなるが反対も出来ないので複雑だ。

横島も横島なりなにまだ若い少女達のことを考えているし現実問題として横島の協力は必要なのだ。

穂乃香からもあまり余計なことを木乃香に言って邪魔をしないようにと釘を刺されているし、実際親を知ってるだけで横島にはプレッシャーを最低限あたえてる以上はあまりプレッシャーを与えてもいいことはない。

穂乃香としては若い頃の詠春のように旅に出るとでも称して居なくなられるのが一番心配らしい。

詠春は堅物で女が苦手なので連れ戻せたが横島は女を増やす姿しか浮かばないのだ。

とりあえずみんなで囲ってるうちは大丈夫だろうとこちらはホッとしていた。




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