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香港編

「まだ相手の目的も調べてないの? 相変わらずとろいワケ」

香港に到着した一行はさっそくホテルに行き令子から詳しい情報を聞くが、現状ではメドーサの確認すらとれてなく相手の目的もはっきりしない現状にエミは令子を挑発するように毒づく。


「仕方ないでしょ!? こっちの調査を感づかれないようにって依頼なんだから! 文句があるならアンタやりなさいよ!」

顔を合わせるなり口げんかを始める令子とエミだが、最早恒例行事と化しており唐巣が頭痛を感じる程度である。

横島達は我関せずと言わんばかりに中国茶を楽しんでおり、ピートとタイガーまでも同様だった。


「調査ねぇ。 面倒そうだな」

「雪之丞は性格も能力も調査向きじゃないからな」

小籠包と中国茶を楽しみつつ今後の展開が気になる雪之丞は、けんかをする令子達を見て軽くため息を漏らす。

正直余計な人数が増えてどうなるのか気になるらしい。

雪之丞以外の横島達はもちろんメドーサの目的を知っているが、だからと言って下手なことを言えるはずもなかった。



「そもそも小竜姫様は妙神山に括られた神なのよ。 妙神山から遠く離れた香港じゃまともに戦えないわ。 だから迂闊にメドーサに関われないのよ」

そして低レベルの口げんかを続けていた令子とエミだが、お互い疲れたのか令子が状況を説明するが令子は小竜姫をあまりアテにしてないらしい。

小竜姫本人は自分がメドーサと戦うとは言うが、あのメドーサを相手にハンデを背負って戦うことの厳しさはよく理解している。

したがって令子としては小竜姫を抜きにした戦略を考えたいようだった。


「でも結局はメドーサとやり合うんでしょ。 まさか万が一の時は総力戦にするつもり?」

一応令子もエミも小竜姫がメドーサに勝てるならそれに越したことはないと考えているが、ハンデの内容から考えると難しいと感じている。

エミは令子がこれだけの人数を集めた理由を悟ると微妙な表情を見せた。


「あんたが一人で戦える勝算があるなら任せるわよ」

エミの微妙な表情に対し令子は勝算があるならメドーサを任せると言うが、そんなもの誰もあるはずがない。

そして令子とエミの視線は横島と楽しげにお茶を飲む魔鈴に集まっていた。


「魔鈴君、単刀直入に聞くがメドーサに通用する魔法はあるかね?」

ようやく静かになった令子とエミに代わり、今度は唐巣が今回の核心に迫る質問を魔鈴にぶつける。

結局のところ令子ですら魔鈴の魔法を軸に戦略を立てるつもりだった。

正直令子も内心では面白くないが、現状で魔鈴の力を抜きにして戦略が立たないのが現状なのだ。

そして令子の考えが正しいのは、未来において魔鈴抜きにして戦った横島とカオスがよく理解している。

未来では魔鈴と唐巣とタイガーを抜きにして戦ったが、霊力の桁が違ったGSチームはカオスが風水盤を操作する時間稼ぎしか出来なかったのだから。

令子が知り合いで使えそうなGSを総動員した理由も、結局は魔鈴の魔法を使う時間を稼ぐ為に他ならない。



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