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二年目の春・6

「そんじゃ、ここでいっか。」

結局は一向に意見が纏まらないので多数決により決めることになったが、人数が多いのでここを借りることでいいということに決まり扱いとしては別荘になるので維持管理のハニワ兵を頼むことにして現在見てる物件と両隣合わせた三件を借りることにする。

何故か普通に賃貸契約書がありそれにサインするも、現在完成してる物件はここしかないので今回はここを拠点とすることになった。


「うわ~、ここも未来みたいや。」

そして物件との契約を済ませた一行はすぐにここに寝泊まり出来るようにと必要な物を買いにというか貰いに街へと戻るが、時々しか来ないとはいえ電化製品は元より寝具に食器や家具など必要な物はかなりある。

最初に向かったのは街の電気屋さんであったが立体影像にも対応した薄さ一ミリで壁に張るだけという最新型の平面テレビから始まり、瞬間洗濯乾燥機に時間停止型冷蔵庫などまるでどっかの猫型ロボットに出てきそうな家電がたくさんあった。


「これうちにも欲しい!」

「あー、ここにあるのは持ち出しは無理かな。 知らんやつに見つかったら大変そうだし。」

その光景はやはり近未来のような光景で少女達ばかりか高畑まで興味深げに見ていた。

異空間アジトは閉ざされた箱庭であるし地球のように厳しい競争社会ではないものの、ハニワ兵独自のペースで進歩して生きていることがこういうところに来るとよく分かる。

なおデザインにもかなり凝ってるらしく少し奇抜なデザインの家電なんかもあったが。


「適当でいいか?」

「ダメですよ。 ちゃんと選ばないと。」

「そうですわねわ。 せっかくこれだけあるんですから。」

今一つ家電には興味がない横島は適当に必要な物を電気屋のハニワ兵に見繕って貰えばいいかと口にするも、少女達からの反発がありこれがいいとかあれが可愛いとかワイワイガヤガヤと相談する女性陣に早くも茅の外に置かれてしまう。

横島自身が技術開発に関わった物もあるが生来の技術者でない横島はたいして変わらないだろうと技術者泣かせのことを呟くも、性能はもとよりデザインなんかでもどれがいいかと活発に選んでいく。


「ふわぁ~。 なかなか決まらないっすね。」

「女性の買い物は長いからね。」

その後家具屋に雑貨屋など回り必要な品を選んでいくが、荷物は横島の影に入れるので持つものもなく横島と高畑は女性陣が長々と品物を選ぶのを見ているしかすることがなかった。


「その感じっすね。」

途中からあまりに暇なので高畑の基礎修行を見てやりつつ待っているが、女性陣の買い物は一向に終わることなくこのまま異空間アジトに住み着く気かというほど大量の物を求めている。

ただまあ女性陣からすると雪広邸ほどではないが豪邸といえる家だったこともあり、それに相応しい物を選びたいらしい。

カーテンやカーペットなど一つでもあれこれと比べながら選んでるので時間がかかるのは当然だった。



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