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二年目の春・6

「敷地に結界があるな。 何の結界だ?」

「どうやら環境制御用の結界らしい。」

建物の外観と広い庭に魅了される女性陣であるが、アナスタシアは建物の敷地を包むように張られている初めて見るタイプの結界に興味を抱くもどうやら敷地内の環境を制御する為の結界だと聞き関心する。

集落の入り口にも看板があったがここでは最新技術の実証試験をしてるようで、その一つが敷地を包む環境制御の結界らしい。

台風や雨風はもちろんのこと建物にあまり良くない潮風なんかも防ぐことが可能な結界らしく、紫外線なんかもカット出来ると新築物件PR用のパンフレットに書かれていた。

ちなみにこの特殊結界は元々異空間アジト内の月面にドクターカオスが研究施設を作る際に用いた結界であり元は月面にて隕石を防げる程度の耐久力はあったものの、ここで使ってる結界はそれを更に民生転用としてハニワ兵が開発した結界なので外部からの強い攻撃なんかは防げないがコストパフォーマンスはいいらしい。

加えて建物内のタッチパネルで何を防ぐか簡単に設定出来るようなので誰でも使えるとこも特徴であり、これもまたさらっと科学技術の優位性が無くなる発明であったが。


「自動ドアだよ!」

「電線がありませんが……。」

「電気は……、結界発電?」

そのまま一行は建物の内部も見学していくが玄関を初めとしたドアというドアが全て自動であるし、建物は地上二階の地下一階だがエレベーターまであるハイテク物件である。

電力に関しては先に上げた環境制御の結界が受けた太陽光や風などのエネルギーを吸収電力化するというハイテク魔法科学の技術になっていて。

敷地内とは別に建物内の部屋単位でも気温や湿度を調整出来るので暖房やエアコンも必要ないし、庭のプールやお風呂も自動で水質や水温を調整出来るので年中使えるし設定次第では露天風呂にも出来るらしい。


「ここって未来なん? 魔法とあんまり関係ないやん。」

「ここの技術は魔法科学だということですが、進歩した技術は科学も魔法も等しいようなのです。 」

なお一番驚いていたのは今回初めてこちらに来た亜子であり、自分達が聞いたのは魔法だったよねと一見すると全く魔法と関係無さそうな超技術に若干戸惑っていた。

まき絵の方は細かいことは気にしてなくハニワさんは凄いねの一言で終わっていたが。


「キッチンが収納されるんや……。」

更に細かく見ればあちこちにこの世界ならではの技術による機能や設備があり、キッチンやダイニングテーブルなんかは使わない時はそれ自体が床に自動収納されるなどそこまで必要なのかと思う物もある。

ハニワ兵いわくあくまでも実験中のものなのでとりあえず使えそうな技術をいろいろ詰め込んだらしい。


「ポー。」

「いや錬金装置まではやりすぎだ。」

ただ凝り性のハニワ兵達としては導入しようとしても出来なかった物もそれなりにあるらしく、その代表がエネルギーにより様々な物質を無から錬金する錬金装置というものだが実はこれ劣化版コスモプロセッサーといえるもので土偶羅の許可が降りなかったようだった。

生命体など錬金不可な物質があることなど制限は何かとあるが有機物無機物問わず電力を変換した霊的エネルギーから生成出来るので食べ物などを調達出来るようにと設置したかったらしいが、流石に費用対効果の面や一歩間違えれば大変なことになるレベルの物なので導入出来なかったようである。

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