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GS横島 運命と戦う者

「それはどういう意味よ!」

「言葉の通りよ。 私達は自分達が生き残る為に他は全て犠牲にしたわ。 そんな私達を誰も助けてはくれないのよ いい加減認めなさい! あなたは横島君に命を助けられたのよ! 彼がどんな気持ちであの戦いをしたかわかってるでしょう! それなのにあなたはあの戦いの後、前と同じように横島君を酷い扱いをした… それでこんな事態になったのよ」

美智恵は呆れたように令子に怒りをぶつけた

令子は未だに自分は正しいと思っているのだから…


確かに令子は間違ってはいない…


だが人はついて来ない

美智恵は改めて自分のやり方がマズかったのを理解した


せめてあの戦いの後、
もっと横島に対するフォローをするべきだったと


一方令子は拳を握りしめ悔しさを噛みしめた

何がと言われても困るが、悔しかった


令子はアダルトチルドレンだ

自分が一番でなければ気が済まない

一時的には横島に感謝したが、平和が戻れば元に戻った

横島は自分のモノだと言う思い込みがある為、横島の成長を認められなかった
そしてお金が一番の令子と、命が一番の横島では価値観の違いが際立った
美智恵はそんな娘に困りはするものの、自分が守らねばと覚悟を決めていた


「令子… とりあえず私は明日妙神山に行って相談してくるわ… もう少し待ってて」


美智恵は無言でイラつく令子にそう話して帰った



次の日
美智恵は1人妙神山に来ていた


「すいません。 私はオカルトGメンの美神美智恵です。 小竜姫様に相談したい事があって来たのですが、取り次いでもらえませんか?」

美智恵は鬼門に丁寧に頭を下げた

「少し待たれよ。 小竜姫様が今来る」

鬼門は小竜姫に念話で報告して美智恵を待たせた


少ししたら扉が開いた


「お久しぶりですね。 美神美智恵さん。 今日はどうしましたか?」


小竜姫は美智恵の来訪に驚いたが顔には出さずに話した


「令子の事でご相談があるのですが…」

美智恵は言いにくそうに話した

小竜姫は少し考えて美智恵を中に入れた

小竜姫は宿坊の居間に美智恵を通した


そして美智恵の来訪を聞いたワルキューレが小竜姫と一緒に座る


横島達は修行の最中で美智恵が来たのを知らない

小竜姫が教えなかったのだ…

横島を傷つけない為に…

小竜姫とワルキューレは無言で美智恵の言葉を待った


「実は… 令子が魔族に狙われてます。 現在状況は厳しくいつまた狙われるかわかりません。 そのことでぜひお力をお借り出来ないかと思いまして… お願いします。」


美智恵は小竜姫とワルキューレに頭を下げた

ワルキューレが居たのは予想外だったがちょうど良かった


神魔のどちらかが協力してくれればと、考えていたから


小竜姫とワルキューレは予想通りの話に険しい顔になった


「申し訳ありませんが、協力は出来ません。 神族の私が勝手に魔族と戦うのは無理なのです。」


小竜姫は事務的に美智恵に話した

美智恵はワルキューレを見るが…

「何を期待してるか知らんが魔族の正規軍も動かんぞ。 そもそも人間界に、はぐれ魔族はたくさんいる。 神魔界に影響があるような事件を起こさん限り干渉はしない。」


ワルキューレは冷たくいい放つ


「そうですか… あの… 横島君に会いたいのですが…」


美智恵は予想通りの答えに落胆しつつ、横島に会いたいと告げる


小竜姫達は美智恵が横島に会いたいと言った言葉に、不快な表情になった


「横島さんに会ってどうするつもりですか? また彼を犠牲にして戦わせるのですか?」


小竜姫は美智恵を睨むように話した

美智恵は小竜姫の表情が変わったのに気がついた

「いえ、いろいろと謝罪しなければなりませんので…」

美智恵はそれでも横島に会わせてもらえるように頼んだ


最低でも横島と和解しなければ、唐巣ですら協力してはくれないだろう

唐巣はああ見えて人徳があり、オカルト業界に顔が広かった

自分達親子がこれ以上孤立するのを防ぐ為にも、唐巣だけは味方にしなければならなかった


「横島さんには会わせられません。 今横島さんの立場は微妙なのです。」


小竜姫がキッパリと断る

「戦わせたりしません。 せめて謝罪のチャンスを…」

小竜姫の機嫌がどんどん悪くなるのに美智恵は気がついていたがこれだけは譲れなかった
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