～×月〇日～

次の日、横島君はいつもと変わらぬ様子だった

昨日はバイトだったか聞いたら、別の用事だったとのこと

いつもと変わらぬ様子に私は少し安堵した


～×月〇日～

季節はすっかり秋の気配が濃くなり、刻一刻と卒業を意識し始める

就職を決めたクラスメートをお祝いしつつ、私の心はズキっと痛みを感じてしまう

別れの辛さがこれほど苦しいとは思わなかった

誰よりも学校と生徒達を見てきたはずなのに……


～×月〇日～

今日は学校にタマモちゃんが遊びに来てくれた

日曜日で暇だったのでたくさん話をしたが、タマモちゃんが話す美神さんの事務所での横島君は凄まじいと思う

徹夜で見張りや囮にさせられる事がしょっちゅうらしい

私は逆に学校での横島君の話を教えてあげた

興味深そうに聞くタマモちゃんは何かを気にしてるようにも見えた

案外、それが聞きたかったのかもしれないと私は思う


～×月〇日～

今日は夜明けてすぐにシロちゃんが遊びに来た

朝の散歩の途中らしい

シロちゃんはどうも学校に興味があるらしく、学校での生活や横島君の話をすると目を輝かせてきいていた

また来ると言って走り去るシロちゃんの元気な姿が、少し羨ましかった


～×月〇日～

放課後クラスメートが帰っていく中、珍しくピート君が悩んでいる

訳を聞いたら就職を迷ってるらしい

ブラドー島の仲間の事を考えると、どうするべきか簡単には決まらないようだ

以前はみんなに世の中の人の為にオカルトＧメンを目指すと言っていたが、ピート君の本心は仲間の幸せなのかもしれない

私のような力のない妖怪と違い、吸血鬼は大変なのだろう

こんな事はクラスメートには言えないのは私が一番理解してる

私やピート君を受け入れてくれた素晴らしい仲間達だけど、人と妖怪の問題の難しさ理解出来ないだろうから……


～×月〇日～

今日横島君が先生に呼ばれていた

どうもはっきりしない進路でお説教を受けたようだ

ＧＳになるにしても正式に雇ってもらえるのか確認が必要だし、駄目なら別の事務所か仕事を探さねばならない

よく考えてちゃんとしろと先生に怒られたと笑っていた


～×月〇日～

今日、テレビでオカルトＧメンの密着特集を見た

凄いなあと素直に感心しながら見ていたが、反面で退治される側としては少し複雑だった

人間に都合が悪ければ退治されるという判断基準が、退治される側では納得がいかない部分もある

それとテレビの構成上の演出なのだろうが、オカルトＧメンが正義の味方で身を粉にして人々の為に働くような番組なので、オカルトＧメンの宣伝に見えてしまった


～×月〇日～

最近横島君の体調が良さそうに見える

一時期痩せすぎていたが、最近はまた元に戻りつつある

お昼も少ないながら必ず食べるので、私はホッとしていた

ただ横島君の食生活は相変わらずカップ麺が中心なのだろうか？

体を壊さなければいいと少し心配になる

前にタマモちゃんに聞いたバイトの実態を思い出すと、余計にそう思う