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その二

それから数日後

六道女学院と横島の高校では、正式に姉妹校の話が発表されていた

今のところ決まったのは、相互交流の為に文化祭を合同で開催する事などが決まっている



そしてそれとは別に、この日は横島達の学年では職場体験の日であった


「なんで横島君がここに居るの?」

不思議そうに横島に話しかけたのは愛子である


「同じホテルでの職場体験を選んだからだろ」

何を今更と言いたげな横島だったが、愛子を含め周りのクラスメート達はやはり不思議そうだった


横島の通う高校は公立で進学率があまり高くない

そんな生徒達に就職の為の勉強の一貫として職場体験があった

学校側が用意した複数の体験先から生徒が選ぶ型であり、横島はホテルでの職場体験を選んだようだ


「オカルトGメンの体験あったよね?」

同じく一緒の体験先だった加奈は、横島がオカルトGメンの職場体験を選ばなかった事が不思議らしい


「毎日GSとして仕事してるのに、わざわざ職場体験までオカルトに関わりたくないつうの」

不思議そうな愛子達に横島は若干苦笑いを浮かべていた

ただでさえ毎日GSとして忙しいのに、職場体験までオカルトに関わりたくないのだ


それに、この時代の西条とはある程度良好な関係だが、やはり横島はオカルトGメンは好きでは無い

わざわざ自分からオカルトGメンに関わる事はしたくなかった


「言われてみればそうよね… プロなんだし体験する必要無いか」

横島の言葉に愛子達クラスメートは、なんとなくだが納得してる

やはり彼女達は、横島ならオカルト関係の職場体験をするのが当然と言う思い込みがあったのだ


「それにプロの料理人の方が興味があるしな」

「えっ…」

ボソッと小声で囁いた横島の言葉は愛子だけにしか聞こえなかったようだ

愛子は言葉の意味を考え、横島を探るように見つめている


その後、横島達はホテルで仕事に関する説明を受けていく

ホテル側が用意した職場体験の中で、横島が選んだのはレストランの厨房だった

横島の他には愛子や加奈など女子が数名で、料理好きな生徒が集まったようである


「ねえ、横島君料理なんて出来るの?」

どうみても横島が料理を作れるイメージが無いため、愛子は不安そうに問い掛けていた


「ああ、結構修業したからな… 人並みには出来るよ」

愛子の予想に反して、横島は珍しく自信があるように見える


そんな横島に周りは不思議そうに見つめるが、横島としては当然だった

未来で約9年ほど魔鈴のレストランで働いていた横島は、どっちかと言えばGSよりレストラン業の方が本職である

料理も魔鈴に一から教え込まれたため、プロの料理人を名乗れるレベルにあるのだ

横島としては今回は、魔鈴以外のプロの料理人の腕を見れるいいチャンスだと考えている



「修業? 横島君GSになるんじゃないの?」

「いや…、一生GSで生きてくつもりは無いんだよ。 俺はGSに向かないしな。 いずれは静かに暮らしたいんだ」

横島が料理を修業と言った事に突っ込む加奈だが、横島は一瞬しまったという表情をした後に適当にごまかす

しかし周りのクラスメートは、そんな横島の話を半信半疑で聞いていた

そもそも高校在学中からプロのGSとして活動してる横島が、GSに向かないと言う意味を彼女達は理解出来ない

それに未来とは形は違うが、『横島=GS』と言うイメージが固まっている愛子達は、横島が何故他の未来を望むのか全く理解出来なかった


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