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香港編

同じ頃令子から調査の途中経過な報告を受けた小竜姫は、妙神山にて今後の対応に悩んでいた

令子の報告では勘九朗と仮面の集団しか確認されてないが、事前情報などと合わせるとメドーサの関与はほぼ確定である

メドーサの目的は相変わらず不明だが、天龍童子の暗殺の事件やGS試験のことを考えると放置する訳にもいかない

しかしそもそもの問題として、この件は小竜姫の本来の仕事ではない

ご存知だろうが小竜姫の本来の役割は妙神山の管理であり、対魔族との戦闘は妙神山が攻められでもしない限りはする予定では無かった

そんな小竜姫が何故この件を調査してるかと言えば、メドーサが元竜神だからである

早い話が同族から魔に堕ちた者は出来れば竜神族内で問題を解決したいという、神族としての事情があったからだった

加えて天龍童子の時に不利な状況の中で小竜姫がメドーサを撃退したことから、竜神族の上層部はいつの間にかメドーサの件は小竜姫に回すようになっている

過去多くの事件を起こし追っ手の竜神族を多数殺したメドーサなだけに、なかなか引き受け手が居ないメドーサの問題を小竜姫は押し付けられていたなんて裏事情があったりする

武神としての力量はともかく神族としての政治的なセンスがない小竜姫は、貧乏クジを引かされたらしい


「どう考えても美神さん一人では無理ですね」

令子の報告は現時点で判明した事実だけではなく、今後の可能性も含めて事細かに書かれている

特に令子はメドーサが敵対者に嗅ぎ付けられるのを予期している可能性も十分にあると指摘しており、調査の結果どうするのかを気にしていた

令子は一人でメドーサと勘九朗の両方に勝てると思うほど愚かではないし、対メドーサとの戦いを想定するならばこれ以上調査を進める前にきちんと対応を決めたいようなのだ

この件に関しては実は未来で同じ役割をしていた雪之丞が調査をしてる最中に勘九朗の隙を見つけて元始風水盤の針を奪ってしまい、後手に回った小竜姫だが令子の場合は後先考えず勘九朗に手を出すはずもない

それはあまり細かな計画性がない雪之丞に調査を頼んだ小竜姫のミスだとも言えるが、この時代では雪之丞が香港に繋がりがなく令子に依頼した結果、令子は小竜姫が望んだ通りの働きをしていた

そんな訳で調査が危険域に入る前に対メドーサの対策や準備がしたいとの令子の報告に、小竜姫は今後をどうするか悩んでいる


(香港で私が戦えるのは数分……。 奥の手を使えば勝てると思いますが、それは少しギャンブルが過ぎますからね)

この時、小竜姫は自身の奥の手である超加速でメドーサに勝てる自信があった

しかし妙神山に括られた小竜姫では満足に戦える時間がなく、もしメドーサに仲間や対抗手段があれば一気に危険になるのだ

切羽詰まった状況で他に方法がないならば迷うことなくメドーサと戦う道を選ぶのだろうが、不利な香港でメドーサに確実勝てると思うほど愚かではない


(GS試験の時ですら、横島さん達の介入が無ければどうなっていたやら……)

この時小竜姫はGS試験での反省から未来よりも慎重になっていた

未来では偶然の流れを小竜姫が利用してメドーサを撃退したから違うのだろうが、この時代では明らかに横島達に助けられたことが小竜姫の戒めとなっている

用心に越したことはないと考える小竜姫は、未来よりも遥かに慎重に今後の対策を考えていた

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