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香港編

それから数日が過ぎて調査が難航していた令子もようやく犯人の尻尾を掴んでいた

あの後マスコミや警察が注目する風水師の件を追ってとも無駄だと考えた令子は香港の地脈を調べ、大規模な術の行使に最適な場所の方を調査したのだ

風水師が失踪する以上は香港で風水関連の事件を起こすだろうと予測した令子が、地脈の重要なポイントを調査したのである


「やっぱり勘九朗ね。 一緒の連中は何者かしら? そういえば妙な仮面を付けた連中が誘拐したって情報もあったけど……」

そして令子が見つけたのは、香港の富裕層が住む高級住宅街の一件の屋敷に出入りする勘九朗と仮面を付けたゾンビ達だった

ただかなり離れた場所から追跡する令子はゾンビの正体には気付かなかったらしく、相手が何者か分からないようだったが


「問題はこの後よね……」

令子が依頼を受けたのは風水師の失踪の背景を調べることである

ほぼ風水師の失踪に関わりがあるだろう勘九朗を見つけはしたが、背景は何も分からないし正確には勘九朗が風水師の失踪に関わってる証拠もない

結局勘九朗を調べるしかないが、令子はここで勘九朗を尾行して情報を集めるか勘九朗が出入りしてる屋敷を勘九朗が留守の間に侵入して調べるかで迷っている

正直この後の調査はどちらを選んでもリスクがあるのだ

勘九朗はともかく万が一メドーサと鉢合わせすれば令子に勝ち目はない

どのみち調査が依頼なのだから令子としては、情報さえ集まればメドーサや勘九朗と戦う必要はないのだ


「仕方ないわね。 ちょっと危険だけど揺さ振りをかけてみるか」

そのまましばし考え込んでいた令子は、ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべてその場を一端離れていく

そして数時間後に令子が戻って来た時には、何故か勘九朗が出入りする屋敷の前にはパトカーが止まっていた


「さて……どう出るかしら?」

この時令子は勘九朗と一緒の仮面を付けたゾンビ達の写真と彼らが出入りする屋敷の情報を、地元警察に匿名でリークして来たのだ

今までの風水師失踪事件に妙な仮面を付けた集団が関わってるとの情報はすでにマスコミにも流れており、彼らの目撃情報は結構あったのである

警察も仮面の集団を追ってることから、令子は勘九朗がアジトに使ってるらしい屋敷に警察をけしかけたのだった

そんな訳で二名の警察官が屋敷の人に事情の確認をしようと入っていくが、数十分後に出て来たのは何事もなかったような表情の警察官達である

警察をけしかけて揺さ振りをかければ何か動くだろうと考えた令子だったが、そもそも風水盤などの見られたらマズイ物は全て地下であり地上の屋敷には勘九朗とメドーサしか居なく勘九朗が怪しい物は何もないと屋敷の中を見せてさっさと警察を帰していたのだ

この時期風水師の失踪に関する情報は錯綜しており、警察は令子がリークした情報をガセだと考え早々に帰って行くことになる


「使えない連中ね」

ろくに調べもせずに帰る警察に令子は使えないとぼやくが、警察がダメだとなると別の方法で調査を続けるしかなかった



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