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麻帆良祭への道

実のところ横島はもう麻帆良祭期間中の大量注文を断っていた

茶道部や中等部のクラスなど早い段階で受けた注文はそのままだが、どこから噂を聞き付けて来たのか知らないがイベントやクラスの喫茶店からの大量注文が結構来るのだ

まあ横島としてはハニワ兵を動員すればいくらでも作れるが、流石に不審を抱かれるし木乃香が心配するので現在は断っている


「ケーキ以外じゃダメか? ゼリーとかムースとかなら結構簡単なんだが……」

木乃香は多少心配そうだが、ゼリーやムースならば比較的簡単なので作れると横島は考えていた

あと以前に出たアイスに関しても市販品ではなく手作りにすることも少し考えている

正直日持ちがするアイスなんかは麻帆良祭前に大量に作り置きしておける事から、手間がかからなくていいのだ


「本当に大丈夫なのですか?」

「ああ、店は完全に休むからな。 店舗のシフトも余裕があるし、結構自由な時間も取れそうなんだ」

あやか達の要望に気軽に答える横島に夕映はたまらず確認してしまうが、当日は案外横島は時間があった

一応十二時間営業で朝の九時から夜の九時までを予定しているが、三交替なため実質横島が働くのは四時間程度である

横島が他に用事があるのは図書館探検部だけなので、時間には結構余裕があった


「では申し訳ありませんが、デザートをお願いします」

横島の提案を元に話し合った結果、横島にも何かデザートを一品作ってもらう事が決まる

次にアイスに関してだが、こちらはソフトクリームにする事が決まった

ソフトクリームの機械が手に入るようだったので、そちらの方が簡単なのだ



「こんなとこかな。 後はクラスのみんなで一回考えてみればいいよ。 俺のカレーがダメなら何か他にも考えるしな」

結局三時間近く話し合った結果、横島と超達が考えて来たメニューで基本的にはいいだろうと決まる

中華まんの中身やカレーに加える野菜&トッピングやフライドポテトの新しい味なんかは、2-Aで話し合う事が決まるが基本的なメニューは今日話し合った事でほぼ決まりだった

横島としては昼間は五百円くらいでカレーライスやカレーパスタなどをランチとして出す予定であり、夜はカレーを使ったちょっとしたディナーも考えている

これには超包子側も賛成らしく、こちらも昼間は安いランチを売りにして夜はちょっとしたディナーがいいとなり、メニューの細かな内容を急遽考える事になった


「メニューの基本路線は決まりましたが、店内のレイアウトはどうするのですか? そちらもそろそろ始めないと間に合いません」

メニューが大筋で決まり基本的な食材の発注数などを確認したのちようやく一息をついた一同だったが、まだ決めねばならない事は山ほどある

仮設店舗とはいえ麻帆良祭はどこも本格的であり、無機質な仮設店舗ではダメなのであった


「仮設店舗は明後日には基本的な工事が終わり、厨房の機材の搬入も明後日中には終える予定です。 椅子やテーブルは昨年の物がありますからいいのですが……」

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