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二年目の春・5

「えーと、何人か教える必要がない生徒も居ますが今日は先日予告した通り調理実習を行います。」

それから数日が過ぎたこの日3ーA組では三時間目と四時間目の授業を使い調理実習を行うところだった。

教科担当はベテランと言っても差し支えない40代女性教師であり、超や五月に木乃香へと視線を向けて教える必要がないとの冗談を交えて授業を始めると少女達からはさっそく笑いが起こっている。


「怪我のないように気をつけて調理開始して下さい。」

さて麻帆良学園の調理実習だが、少し変わっていて教師は作るメニューを指定してなくクラスを幾つかのグループに分けて事前に生徒に考えさせた献立をそれぞれが作ることになっていた。

評価は味はもちろんだが栄養価や費用なども含めての評価であり、自主性や考える教育を信念とする麻帆良学園では昔から生徒にメニューを決めさせていたらしい。

ちなみに材料も自費での持ち込みであり完成した料理はそのまま昼食になる予定である。


「ねえねえ、木乃香達何作るの?」

「ウチらはパスタや。」

そして少女達だが木乃香はいつもの明日菜・夕映・のどか・ハルナ・さよの六人でグループを組んでいて、美砂達は茶々丸と最近魔法の練習で親しい刹那にそんな刹那と親しい龍宮真名と組んでいた。

あやか達に関してはこの手のグループ分けであぶれがちな千雨とサジが加わっていてそれぞれに調理を始める。


「パスタなんだ~。」

「調理時間も早くてええんよ。」

他には超一味のグループやまき絵達のグループなどあったがやはり注目を集めてるのは木乃香と超や五月で、超達は得意の中華にするらしく木乃香はパスタを中心にした洋食というかイタリアンメニューだった。

今回は調理と試食を合わせて二時間の授業を使うが、一般の中学生ならともかく超鈴音や木乃香からすると調理に二時間は余裕があり比較的楽な様子である。


「こうして比べてみると手際の良さが全然違うわね。」

当然それは見ていても分かるほどで料理上手というならばあやかや千鶴に亜子などクラスにも何人か居るが、手際の良さは超鈴音と五月と木乃香にのどかの四人は別格だった。


「本屋ちゃん凄いじゃん。」

「私達の中じゃ木乃香に次いで料理が上手いのですよ。」

まあ今更超達や木乃香には驚かないが地味に驚かれていたのは、クラスメートでさえ知らない人が居たのどかの隠れた料理の腕前だ。

もちろんいつものメンバーは知ってることだが、厨房に出入りしないと知らない者がほとんどで割と店に来ているまき絵達も実は気付いてなかったほどである。


「ふふふ、家ののどかはこんなもんじゃないわよ?」

「ハルナ~、変なこと言わないで!」

横島や木乃香の影に隠れて地道に実力を着けていたのどかには家庭科の教師も驚いていたが、何故か自慢げに胸を張ってどや顔をしているのはハルナだった。

注目を集めれば集めるほど恥ずかしいのか顔を赤らめてしまいハルナに抗議するも、悪乗りしてるハルナはまるで我が事のように自慢していく。


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