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真の歴史へ・その二

懐かしい彼女との再会がこんな除霊現場での再会になるとは、横島とルシオラも予想もしなかった


「ワルキューレか…」

横島とルシオラは銃を下ろしてワルキューレを見つめる

横島の声が幾分緊張気味なのは、ワルキューレが横島達に警戒感を露わにしているからだ


「ジークから話は聞いたし、最高指導者様にも確認した。 だが…、私は自分の目で確認した物しか信じない! 任務で無いならば尚更な。 横島忠夫、お前の力見せて貰おうか」

ワルキューレは一瞬で銃を取り出し横島に向ける


『やっぱりこうなったか…』

『仕方が無いわ。 突然未来や世界の終末を告げられたら混乱するもの。 ワルキューレさんの性格上、確かな力を見せなきゃ信じないわ』

横島とルシオラは念話で会話をしながら未来を思い出す

ワルキューレならきっとこうなると、横島達は前から予想していた

人間に複雑な感情を抱いている彼女なら、未来を話しただけでは信じないだろう


そして、未来で彼女が横島を戦士と認めたように、もう一度彼女に戦士として認めさせるしか無いと…


「どうした? 私が撃たないとでも思ってるのか?」

銃を向けられても微動だにしない横島にワルキューレはその真意を問いかける


「いや、ワルキューレなら撃つだろうな。 だが、俺も簡単には撃たれないよ。 俺に銃器の使い方や対策を教えたのは、ワルキューレお前だからな」

横島は静かに霊力を高めていく


バン!!


キーン!!


その瞬間ワルキューレは躊躇無く銃を放つが、横島は霊波刀で銃弾を防いでいた


「ほう… 大した腕だな。 この距離で防ぐとは」

ワルキューレは無表情のままつぶやく


「銃口と視線でどこを撃つかわかる。 これもお前が教えてくれた基礎だよ」

横島は霊波刀を構えてワルキューレの攻撃に備える


「ねえ、場所変えてくれない? 2人が戦えば、こんな建物崩壊しちゃうわ」

この場で戦うのは流石にマズいと思ったルシオラは、少し無粋と思いつつ口を挟む

横島とルシオラはこの物件の除霊依頼を受けている

そんな場所を破壊するのはやはり避けたい


「いいだろう… 今夜12時、お前の事務所に行く。 戦う場所はそっちで用意しろ」

ワルキューレはそう告げるとその場から転移して行った


「流石に強いな…」

横島は緊張が溶けたようにホッと一息をつく

過去に来てから横島達が戦った相手ではメドーサと並ぶほど強い


超加速がある分接近戦ではメドーサが若干有利だが、長距離での銃器を使った戦闘も考えればワルキューレが有利であり

横島達でさえ油断出来る相手ではない


「ええ、さすがは正規軍ね。 常に危険と隣り合わせの戦闘を重ねてる分、実力以上のプレッシャーを感じるわ」

未来でのワルキューレを知る分、この時代のワルキューレは霊力は低く感じるが、相手を射抜くような強い威圧感は流石であった


「さて、除霊を続けるか。 ワルキューレはここの依頼とは関係無いようだしな」

「ええ、彼女が場所を変えたって事は、私達を監視してたんでしょうね」

横島とルシオラは、とりあえずは目の前の除霊に専念することにした


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