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香港編

「式神使い同士の果たし合い?」

「ええ、冥子さんと鬼道さんが戦うみたいなんです」

その日学校から帰宅した横島は魔鈴から式神使いの果たし合いの件を尋ねられるが、イマイチすぐに思い出せないようである


「ああ、あれか。 確か式神を賭けた果たし合いなんだよ。 勝った方が負けた方の式神をとるって約束らしいんだが、鬼道じゃ冥子ちゃんとこの式神全部扱えなくってな。 四~五匹取られたらコントロール出来なくて負けたんだ」

鬼道と冥子の名前を聞きようやく思い出した横島だが、割ととうでもいい件だっただけに忘れていたようだ

ようやく思い出したので簡単な成り行きを説明するが、魔鈴は納得したような表情を見せて苦笑いを浮かべる


「なるほど。 六道家の十二神将は並の式神とは格が違いますからね。 並の霊能者には使えませんよ」

鬼道では十二神将を使いこなせないのは魔鈴でもすぐに分かることだった

かつてあの令子やエミですら音を上げた十二神将の霊力消費は普通ではない

実際単純な霊力値で言えば冥子は令子よりも遥かに多く人界ではトップクラスだろう

まあ今の横島や魔鈴の実力と霊力があれば扱うことが出来るかもしれないが、正直言えば令子やエミ同様に負担が大きくて嫌になるはずである


「あのおばさんのことだから、多分冥子ちゃんの修行のつもりなんじゃないか?」

「そうかも知れませんね。 でも難しいでしょう」

オカルト業界の古い伝統を改革して来た六道家が何故今更そんな伝統を守るのか魔鈴は若干不思議だったが、冥子の修行のつもりだったとしたら筋が通る

仮に冥子が戦えなくても鬼道が音を上げるのを待ってればいいのだから、ある意味冥子の修行には都合がよかった

結果としては全く修行にはならないのだろうが、まあ六道家としては損はしない訳だし……



「ところで今日の夕食は?」

「今日は外食でも行きませんか? 久しぶりに本格的な中華を食べたいですし」

冥子の果たし合いの話が一段落すると、二人はすぐに今夜の夕食の話に切り替えていた

なんとなく果たし合いの行方が気になっていた魔鈴も、横島の話を聞き関わる必要性を感じなかったらしい

結局最近ゆっくり外食に行ってなかった横島と魔鈴は、カオスや雪之丞も連れて外食に行くことになる


「そういや、今の俺は高校生だったな」

「流石に外でお酒は無理ですね」

そのまま外食しに出かける横島達だったが、横島は自分が高校生だったことを思い出し少し残念そうな表情を見せていた

別に未来でも毎日お酒を飲んでいた訳ではないが、美味しい物と一緒にお酒が飲めないのは残念らしい

まあ過去に来てからも自宅では普通に酒を飲んでいるが、流石に今の横島の見た目で外で飲むのはマズかった

実際姿を変える変化の術などを使えば飲めるのだろうが、そこまでして酒を飲もうとは考えないようだ

何はともあれ横島達は久しぶりの外食を楽しんでいく


ちなみに冥子と鬼道の果たし合いは未来と同じ結果で終わることになる



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