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麻帆良祭への道

(やっぱり那波さん見た目のこと気にしてたんだ)

日頃男性に褒められ慣れてる千鶴だが、普段は誤解されないように褒められてもあまり素直に喜ばなかった

笑顔で男性をかわす様子は中学生には見えないほどだが、実際に千鶴はそれだけ男性にモテている

美砂達三人もモテる方だが千鶴もよくモテており、所属する天文部には噂を聞き付けた男性が千鶴狙いで入部していたほどなのだ

他にもイケメンの高校生や大学生が告白したとの噂もあるが、千鶴が付き合ったとの噂は今まで一度もない


(見た目がコンプレックスなのかも……)

大人っぽいとか色っぽいとかよく褒められる千鶴にとって、大人として扱われるのはあまり嬉しくないのだと美砂は感じていた

実際千鶴を口説く男性は美人だとか大人っぽいと口説くが、聡明な千鶴なだけに相手の下心が見えるのかもしれない



「それじゃおやつも食ったし始めるか。 今日は中華まんの包み方をやるぞ」

千鶴の新たな一面に驚く一同だが、横島はあまり気にした様子もなく料理の練習を始めていく

仮にこれが千鶴ではく明日菜ならば美砂達もツッコミを入れたりからかったりするんだろうが、千鶴にそこまで出来る人はこのグループには居ないようだ


「そうよ、もっと優しく包むの」

その後は再び賑やかな料理教室になるが、教えていたのは横島・木乃香・千鶴の三人である

まき絵達やのどかなどは料理はするようだが、流石に手作りの中華まんは作った経験がないようだった

横島と木乃香は相変わらずなのだが、千鶴の機嫌が微妙にいいように見えるのは気のせいではないのかもしれない

ただこの場合は横島の好感度とかは無関係で、ただ単純に中学生として見られたことを千鶴が喜んでいただけだったりする


「私もこのくらい胸が欲しいなー」

そんな中で中華まんの包み方を教わっていたまき絵は、ふと手頃なサイズに包めた肉まんを見て思わず胸のボリュームが気になったらしい

視界には制服にエプロン姿の千鶴が見えており、エプロンの上からでも分かるほどのボリュームが羨ましいようだ


「そやな~ 裕奈がこんくらいやろか? 那波さんはメロン?」

まき絵の呟きに亜子は、友人の裕奈が肉まんサイズだとすれば千鶴はメロンかと想像する

寮の大浴場でまたに見かけるが、その大きさを見るたびに二人はため息が出るようだった

「胸が大きいのも大変なのよ。 肩はこるし男の人は胸ばっかり見るんだもの」

羨ましそうなまき絵と亜子にちょっと困った表情の千鶴はそれほどいいものじゃないと告げるが、二人には理解するのは難しいようだ

二人は無いよりは有る方がいいと言うが、結局双方ともに無いものねだりなのだろう


「やっぱり男の人って大きい胸が好きなん?」

そんな教室に居る時と同じようなガールズトークをする彼女達の言葉に、木乃香はふと浮かんだ疑問をそのまま横島に尋ねていた

恋愛に憧れがある年頃だけに男性の素直な気持ちというか本音が聞きたいようである


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