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GS横島 運命と戦う者

「相変わらずだな… お前は…」

ワルキューレは疲れたような笑顔を見せた

「横島さんは人間では神魔界で一番有名ですよ。 偶然や奇跡が重なったとしても、人間が魔神を倒すなんて有り得ない出来事ですから… 人間界にも様々な神話がありますが、横島さんもいずれ神魔界で神話になるでしょう」


ジークが横島に説明するが横島は首を傾げる

「アシュタロスはたまたま俺が、トドメをさしただけだぞ?」


「それが重要なのだ… あの戦いで戦況を変えた出来事が大きく分けて2つある。 一つはルシオラ達を味方にした。 一つはコスモプロセッサーを破壊した。 その2つだ その2つのどちかかが欠けてもアシュタロスの敗北は無かっただろう… 歴史の修正力などの力も働くがアシュタロスはそれも計算に入れていた。 横島が居なければ、運が良くて人間界の壊滅で終わったくらいだろう…」

ワルキューレは呆れながら説明した


「俺は… ルシオラ達に未来を見せたかった。 別に世界を守る為に戦った訳じゃないんだがな…」


「ヨコシマ…」


ルシオラ、ベスパ、パピリオは横島の言葉に熱いものがこみ上げてきた


「横島さんは今まで通りここで生活すればいいですよ。 神魔の争いは神魔族がなんとかしますから…」

小竜姫は笑顔で横島に話した

ワルキューレ達やルシオラ達もそれに頷いていた


「わかったよ。 みんなありがとう」


横島はみんなが自分を心配して大切にしてくれる…


そのことが本当に嬉しかった


だが小竜姫達は苦笑いしていた

お礼や謝らなければならないのは、神魔族だと思っていたから…


神魔族の争いに人間を巻き込んだのだから…


「では横島さん達は修行にはいりましょうか」

小竜姫は横島達に話した

「ほう… 横島の修行か… 面白そうだな」

ワルキューレはニヤリとして、横島達の修行についていった


それからいつの間にか
ルシオラ達3姉妹はワルキューレやジークが指導することになった


元々力はあるが戦闘経験が足りない3姉妹の指導は、魔界正規軍のワルキューレやジークはピッタリだった



次の日
神界に行っていた老師が妙神山に帰ってきた。

その際、神族側の戦力補強にヒャクメが派遣されて妙神山に滞在することになった


ヒャクメの能力により、妙神山が奇襲されるのを避ける狙いがある


神魔界が横島と妙神山に、異例の戦力を派遣したのは理由があった


横島が神魔過激派の標的にされていた

横島が死ねば神魔のデタントは終わるだろう

横島は知らない所で重要な存在になっていた

横島が妙神山に来たのは偶然だったが、神魔の和平派は予期せぬ事態に安堵した。


人界で人間を影から守るののは難しいのだから…



一週間後
魔族は依然と動きが無く、仕事も出来ずに外出も出来ない令子はストレスを溜めて爆発しそうだった…

「ママ! いつまでこんな場所に居なきゃいけないの!」

令子は様子を見に来た美智恵に叫んだ

「令子… これが一番なのよ。 魔族が無差別に人間を殺せばみんな動くし、私達も大っぴらに魔族を退治出来るけど、魔族はあなただけを狙ってるわ… 今はここにいるのが一番安全なのよ。 今あなたの味方は六道冥子さんと私と西条君だけなのよ」

美智恵は苦々しく話した

「なんとかならないの!?」

令子は疲れた様子で話した

「…わかったわ… 神魔族に頼んでみるわ… でも期待しないでね… 神魔族がただ一人の人間の為に動くなんて普通は有り得ないわ」


美智恵は困ったように言った

「小竜姫様なら来てくれるんじゃないの?」

令子は期待を込めて話した

「妙神山には横島君がいるんでしょ? 事情を知る彼女があなたの為に力を貸すかしら… あなた横島君に土下座で謝れる?」


美智恵は令子を睨むように話した

「なんで私が横島に謝らなきゃいけないの! 私は契約した仕事をしただけよ!」

令子は怒り美智恵に言い放つ


「ええ、あなたも私も間違ってはないわ… でも誰も私達を助けてはくれない。 もし、この立場が横島君なら… 違ったでしょうね」


美智恵は険しい表情のまま話した
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