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香港編

結局横島は愛子とクラスメートの女子数名と一緒に相談者の家に行くことになるが、そこはごくごく普通の一軒家だった


「どう?」

「やっぱ低級の悪霊だろうな。 今は居ないが妙な霊気が残ってる」

到着早々にポルターガイストが起きる部屋に案内された横島だが、ごくごく僅かに妙な霊気を感じる程度である

加えてその部屋は家相が悪く家の中の陰の気が集まりやすい部屋だった

横島の言葉に相談者の女子とクラスメートの女子達は不安そうだが、今現在は悪霊が居ないと言うと少しホッとしたようでもある


「可能性としては浮遊霊の可能性もあったんだけど、どうもごく初期の悪霊みたいだな」

そのまま相談者の部屋に移動した横島は基本的なことを少し説明するが、問題はこれからだった


「俺が除霊してもいいけど、親ときちんと相談してからだな。 こういうのもなんなんだが、後々になって騙しただの嘘ついただの揉めたくないし……」

不安そうな相談者と若干興味津々なクラスメート達に横島は軽くため息をついて今後の説明をする

基本的には除霊が必要だが悪霊の行動範囲や原因も調べる必要があり、ただ除霊すればいい訳ではない

加えて学生の横島がGSとして相談者の両親に信頼されるかは別問題であり、後々になって騙したとか問題になっても困るのだ

従ってどのみち相談者が両親ときちんと話をして決めることを横島は勧めていた


「なんか面倒でややこしいのね」

「一般人には見えないからな。 実際真面目に除霊してもぼったくられたとか騙されたって感じる人もたまに居るらしいぞ」

どうやら相談者やクラスメートの女子達は、テレビで見るようにお札や武器を使ってパッと除霊してくれるのを期待してたらしい

原因の調査や依頼を受ける為の契約など、意外と面倒なことが多いことに驚いていた


「とりあえずうちの事務所の連絡先とピートが居る教会の連絡先を教えておくよ。 ぶっちゃけうちに頼めば最低限の費用はかかるが、ピートのとこはタダでやってる。 唐巣神父って言えば有名だから、ピートのとこの方が安心かもな」

具体的な話になると悩み始める相談者に、横島は事務所と教会の連絡先を教えて両親と相談して改めて頼むように告げる

そして横島としては彼女がどこに依頼しても全く気にしないため、自分の事務所に頼んだ場合の費用や唐巣に頼んだ場合はタダになることを普通に教えてしまう


「そりゃ比べれば実績があってタダの方が良くない?」

「でも唐巣神父ってこの前来てた人でしょ。 お人よし過ぎて貧乏だって噂を聞いたけど? ピート君がお弁当ない時に誰かが言ったじゃない」

横島が語る裏事情に女子達は驚きながらもピートが貧乏な理由を思い出し複雑な表情になる

困ってる人にはタダで除霊する神父は結構有名なのだが、横島から現実的な費用として聞くと逆に頼みずらくなってしまう


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