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香港編

お札作成に続き書類整理などをする横島だが、そんな雑用が終わると魔鈴の手料理による夕食になる

つい最近までレストランのオーナーシェフとして料理に腕を振るっていた魔鈴にとって料理は特別なものがあり、日々の食事でも割と凝った料理を作ったりして料理を楽しんでいる

そんな過去に来て環境が変わり仕事も変わった魔鈴が一番感じたことは、自分は料理が好きなんだという初心であった

その結果、毎日の食事は今まで以上に楽しみながら料理をしているのだ

ちなみに横島のクラスメートの女子達が注目する毎日の弁当に関しても、彼女達が味見をしてるのを魔鈴は横島から聞いて知っており反応を楽しみにしていたりする

GSとしての力量は横島同様人間のレベルを越えてる魔鈴だったが、やはり魔鈴の基本的は料理人なのだろう

GSの仕事にもやり甲斐は感じるが、好きなのは料理なのは確かなようだった



「今日の最後の仕事は、公園に出るジョギングをする幽霊の退治です」

そんな夕食が終わると、この日は一件の依頼を解決するために現場の公園に行く

基本的に魔鈴が受ける依頼は被害が微妙な依頼が多いが、それはこの依頼も同じだった

公園に出るジョギングする幽霊の除霊となっているが、その幽霊は朝晩の暗い時間に同じジョギングをする人達に声をかけるだけという微妙な被害である


「この依頼の幽霊は何がしたいんだ?」

「多分、ただ挨拶してるだけだろうな」

人を脅かしてるのかと聞かれると違うらしい幽霊は、挨拶をしてすっと消えて行くらしい

除霊の必要があるのか疑わしいと思う横島達だが、こんな依頼もまた多かった


「おっ、あそこに居るのは……」

そのまま幽霊を探して夜の公園を歩く横島達三人だが、この時間になるとジョギングする人よりも違う目的の人が多い

横島は昔の習慣でつい、イチャつくカップルを見つけてしまう


「二人とも、目的を忘れないで下さいね」

横島の言葉に雪之丞も反応して二人は見つけたカップルをつい見入ってしまうが、ちょっと困った表情の魔鈴にたしなめられる


「ちっ、どいつもこいつも……」

「俺はどっちの気持ちもわかるんだよな~」

よく見るとあっちこちでイチャつくカップルに雪之丞は若干不機嫌そうだが、横島は雪之丞の気持ちもイチャつくカップルの気持ちも両方理解できる故に微妙な表情を浮かべていた


「邪魔なら先に帰ってるぞ」

「いや俺達はわざわざ外でイチャつかんでもいつも……」

「二人とも仕事だってこと忘れないで下さいね」

周りはカップルばかりで横島と魔鈴もカップルだと気付いた雪之丞は少し面白くなさそうに先に帰るかと聞くが、横島はわざわざ外でイチャつかなくてもいつも……とつい本音を告げてしまう

そんな横島に魔鈴は少し恥ずかしそうに仕事に話を戻すが、横島はともかく雪之丞はイマイチ集中出来ないようだった


(雪之丞さんも若いですからね)

この時魔鈴は雪之丞が未来よりも若くて未熟なのだと改めて感じるが、ただ同時に義父の大樹や西条を思い出すと男としてはこちらの方が健全かもしれないと思う

結局この日は幽霊を発見出来ずに微妙な空気のまま仕事が終わったのは言うまでもない



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