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二年目の春・4

「超リンやっちゃったね~。」

「大丈夫大丈夫。 私達なんていつも怒られてるから!」

翌日は新しい週の始まりとなる月曜だったが、3ーAのクラスでは修学旅行に行かなかった茶々丸がお土産を貰ったり超が査察に関して根掘り葉掘り聞かれたりしていた。

ただ事情を知らぬクラスメートのほとんどは超の校則破りや規則破りに対してあまり気にしてないようで、特にイタズラ好きな鳴滝姉妹なんかは超を新しい同志だとでも言いたげに慰めるような言葉をかけている。

尤も修学旅行期間中と違いこの日の超は以前と変わらぬ様子となり、五月とも関係修復したので決して表立って落ち込んている様子ではないのだが。


「いや、ちょっとやり過ぎたネ。」

なお超達と真相を知った少女達の様子も違和感があるほどではなく、こちらは元から日常においてはそれほど頻繁に親しげに話したりしていた訳ではないのでこんなものなのだろう。

まあ木乃香と明日菜は昨夜二人で話していたことを少し引きずっているのか、時折超に視線を向けては何とも言えない表情をしてはいたが。

何はともあれ一連の影響が最小限に抑えられたのは全体として及第点と言えることであった。



「これお土産です。」

「修学旅行楽しかったか? 友達と旅行なんて社会人になると案外出来ないからな。 羨ましいよ。」

「あっ、はい。 天気も良くて楽しかったですよ。」

そして放課後になると超と葉加瀬は麻帆良学園生徒会本部にて表の疑惑に対する事情聴取が行われるが、夕映とのどかはそちらには関係することはなく大学部と雪広コンツェルン本社に出向き修学旅行のお土産を配るのに忙しい。

ちょうど明日の祭日から事実上のゴールデンウィークに突入するため、大学生は帰省したり旅行に行ったりする人も居て社会人も雪広グループなんかだと連休を取る人は多いのだ。


「そうそう、君達のクラスの超鈴音のこと随分騒ぎになってるね。 正直外野があんまり騒がない方がいいと思うんだがな。」

「中等部は意外に騒いでないですよ。 ただ大学部の人達は少し騒ぎ過ぎかもしれないですね。 それが面白くない人も結構居ますし。」

ただ夕映とのどかも少なからず超と交流があるので何処に言っても話題として出ていた。

大学部の人なんかはやはり超鈴音に同情的だが、社会人の人なんかは逆にそんな大学部の人が騒ぎ過ぎだと苦笑いを浮かべている人が多い。


「そもそも学生ならまだしも教授クラスがけじめをつける前に堂々と庇うってのはどうなんだろうな。 水面下で根回しするくらいなら構わないと思うんだが。」

下手に周りが騒ぐと超本人も辛いだろうという人も居れば、悪いことをしたのだからきちんと叱るべきだと周囲の甘さが超を増長させたんだと厳しいことを言う者もいる。

賛否はそれこそ両論たるが社会人達の意見で多いのは大学部の教授などが早々に擁護に回った件だった。


「君達を見てるからかもしれないが世代を越えた交流は為になるからな。 今回のことで下手に規制がかからなきゃいいが。」

話をしたのが麻帆良カレーの関係者がほとんどで夕映とのどかにあやかなどの中学生と交流があるからか、超鈴音の大学部での優遇までは否定する人は居ないものの今回の件で超鈴音が反省すればいいが調子に乗れば後々の学園の姿勢に影響するのではとの危惧もある。

日本では麻帆良学園を除き飛び級などの一部の優秀な子供への優遇制度は導入されてなく、それ故に麻帆良学園での世代を越えた交流は貴重だとの意見が多い。

中には夕映とのどかにも目立つ立場だから気を付けるようにとやんわりと注意する社会人なんかも居て、二人は超鈴音の問題が自分達も満更他人事ではないんだと悟ることになる。



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