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二年目の春・4

この日は日曜の夜ということもあり日が暮れる頃になると店内の客は少なくなっていて最後の客が帰ると店を閉めて、美砂達やエヴァ一家にあやか達と雪広さやかに高畑と刹那という異空間アジトへ行ったフルメンバーが集まっていた。

炊きたてのホカホカご飯にアジ尽くしの夕食をみんなで囲むことになるが、特に修学旅行へ行っていた少女達は新鮮なアジに瞳を輝かせてる者もいる。

ただこの日みんなを集めたのは他でもなく超鈴音に関する説明の為であった。

近右衛門と刀子は今日の午後に超達と話をした後にも少し相談したらしいが、結局はこれ以上隠すと知らなくていい事実まで炙り出し兼ねないということから一定の情報を教えることにしたようである。


「おさしみおいしい。」

「本当ね。 このしょうががまたいいわ。」

尤も少女達の側からすると超鈴音の話はさほど深刻だとは受け止めてなく普通に夕食を堪能していたが。

アジ自体が朝に釣った物を血抜きをしていたのでちょうど食べ頃になっていてほどよく旨味が出て美味しい。

まあ絞めたての魚も歯触りなどよく美味しいし一概に言えることではないが、釣り好きな年配者らしくちょうど夕食に食べ頃になるように釣ったら即血抜きをしていたようである。

味付けは基本的にはしょうがや薬味で食べていたが個々の好みによりワサビを付けてる者もいて、アジの刺身は少し寝かせた方が美味いが癖もほんの少し出てくるので薬味などは好みにより選んでいた。

幸い生の魚が苦手なメンバーは居ないのでみんな喜んでいて、しょうがの風味が新鮮なアジをより引き立てていて冷たい刺身が炊きたてのご飯によく合い刺身一枚でご飯を掻き込みたくなるほどに美味い。


「このアジフライも美味しいですわね。 でもこのタルタルはもしかして……。」

「タルタルソースは麻帆良亭のレシピや。 前に教わったんよ。」

ちなみにもう一つのメインであるアジフライはタルタルソースを麻帆良亭のレシピのソースにしていて、いつも作る横島のタルタルソースとはまた一味違う美味しさだった。

雪広姉妹なんかは真っ先にその味に気付いたらしく、少し懐かしそうに食べている。

横島達は麻帆良亭のレシピを幾つか教わり実際に麻帆良亭の限定復活の際に作ってもいたが、時々夕食なんかの時に練習を兼ねて作ったりもしていたのだ。

サクッとした衣にフワッとしたアジはマヨネーズベースの少し酸味があるタルタルソースがよく合い、洋食屋のレシピらしくこれまたご飯によく合う。

なんというか最早超鈴音?なにそれ美味しいの?と言わんばかりに超鈴音のことなど気にもかけずに夕食を堪能していく。


「ほら、口元にソースついてるわよ。」

「えへへ、ありがと。」

なお幼いタマモも身体が大きな大人や少女達に負けじと口いっぱいに頬張り食べていたが、口元にタルタルソースをつけては明日菜に拭いてもらっている。

夜なんかはさよがタマモの面倒を見てるが食事時は結構夢中に食べていて明日菜や木乃香なんかがタマモの面倒を見ることが多い。

食事中のマナーなんかも木乃香達が教えるのでタマモも本当に最低限だが理解していた。

まあタマモ的には食事はみんなで楽しく食べるものだという認識があるらしく、今日あったことなんかを話ながら食べるのが好きらしいが。



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