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二年目の春・4

「麻帆良よ! 私は帰ってきた!!」

修学旅行を終えた少女達が麻帆良に帰ってきたのは、すでにお昼を過ぎた頃だった。

女子中等部校舎で解散となるがバスを降りて早々にテンション高く意味不明なことを叫ぶハルナに教師陣や同じハワイから帰国した者達は何事かと視線を向けるも、叫んだのがハルナだと知ると何時ものことかと軽く流されてしまう。


「パル一体どうしたんだろ?」

「何かのネタだと思うですが。」

それでもクラスメートの何人かは何がしたいんだと親しい夕映やのどかに尋ねるも、二人も知らないネタらしく叫んで満足げなハルナを困ったように見つめるしか出来ない。

本人に聞けば早いのだろうが、聞けば聞いたで興味のないネタの話を始めるので残念ながら誰も本人には聞く気はないようであった。


「まあいいわ。 帰りましょ。」

到着後は教師陣から一言あってすぐに解散となり少女達は女子寮に帰宅することになる。

どうせなら寮か繁華街のバスステーションで解散してくれればいいのにとの声も聞かれるが今更なことだった。


「店大丈夫やろか?」

長い飛行機の移動時間を経てようやく麻帆良に帰ってきた一同はやはりホッとした心境になるが、日常に戻ったのを実感すると店が心配になり始める。

茶々丸にも頼んだし特に問題が起きるとも思えないが、まあそれだけ少女達にとって店は大切な帰る場所だということだろう。

とりあえずさよ以外は一旦寮に帰り旅行中の洗濯物を片付けた後に店にいくことになる。



「タマちゃんただいま~。」

「おかえり!!!」

お土産などもあるので少し重い荷物を抱えて一足先に帰宅したさよを真っ先に出迎えたのはやはりタマモであった。

店の前に到着したさよをタマモが待ってましたと言わんばかりに出迎えたのだ。

待ちきれなかったのか駆け寄るとすぐに抱き付くタマモをさよは受け止めてやりつつ、その温もりに本当に帰ってきたんだなと実感する。


「わたしがもってあげる!」

「大丈夫? 重くない?」

「うん! だいじょうぶ!」

そのまましばらく甘えるようにさよに抱きついていたタマモだが、流石にいつまでも路上に居るわけにはいかないとさよの荷物の一つを持ち二階の家に入っていく。

タマモが持ったのはお土産が入った袋で中身が何かなと覗き込んだりクンクンと匂いを嗅いだりしながら二階に上がると、今度は二体のハニワ兵とチャチャゼロに出迎えられる。

この時チャチャゼロはどっから持ってきたのかハニワ兵を相手にテレビゲームをしていて、ヨッ帰ッテ来タノカ?と軽く挨拶をする程度だったが。


「ぽー!」

「ぽー?」

二体のハニワ兵は洗濯物を回収するとすぐに洗濯機に放り込んで洗濯を始めた後、旅行の話が聞きたいのかさよに甘えるように抱きついているタマモと共に旅行の話を聞かせてほしいとねだることになる。




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