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二年目の春・4

「あーあ、みんなグッスリ寝ちゃって。」

さてハワイの修学旅行一行の最終日は朝の便での帰国のみであった。

どうせ今日は飛行機での移動で一日潰れるからと徹夜した少女達が多いらしく、飛行機に乗るなり寝てしまった者が多い。


「帰ったら夜なので本当は起きてる方がいいのですが。」

何人かは帰りたくないとごねていた者も居たりするが、当然日程が変わるはずもなく飛行機は定刻通りにハワイを飛び立っている。

行きの飛行機の賑やかさと比べるとその差は明らかであり、起きている少女達は修学旅行の終わりを痛感する。



それと超一味の様子も相変わらずで超と葉加瀬の二人は五月と古菲と微妙な距離が空いてしまい、古菲はそれでも挨拶などの日常会話はするものの五月は本当に会話すらなくなってしまいクラスの雰囲気に影を落としていた。

事情を知らない何人かは喧嘩でもしたのと尋ねたりするものの古菲はよく分からないとしか言えず、他の超達は何も答えない為どうしようもなかった。

本来こういう場合はあやかが多少のお節介をするはずなのだが問題の一部とはいえ異常性を知るだけに動けず、それも相まって何も知らないクラスメートが不思議そうに首を傾げることになっている。


「実はね、超達ちょっとヤバいみたいなんだよね。 学園が超の研究室とか超包子に査察に入ったみたい。」

そんな少し微妙な雰囲気の機内だが何も知らないクラスメートに事情の一端を明かしたのは、報道部に所属する朝倉であった。

ハワイは携帯もそのままでは使えないので知らないと思われた彼女だが、何かしらの理由で麻帆良と連絡を取り麻帆良の騒ぎを聞いてしまったらしい。


「えっ!? なんで!?」

「私もまだ詳しく聞いてないけど学園のコンピュータとかクラッキングしたのバレたみたい。 あと研究室のお金の使い方とか校則破りとかいろいろ問題になってるみたいでさ。」

裕奈達や鳴滝姉妹に美空などちょっと微妙な表情の朝倉の話に食い付き思わず超一味を見るが、超と葉加瀬は寝ていて話を聞いてないからかその表情は特に変化ない。

ただ千雨だけは朝倉のクラッキングという言葉に密かに反応して聞き耳を立てていたが。


「それってどのくらい悪いことなの?」

「クラッキングは一応刑罰もある犯罪なんだよね。 まだ警察沙汰にはなってないみたいだけど帰ったら学園の事情聴取が行われるみたい。」

朝倉の話す内容に少女達は正直戸惑っていた。

元々お騒がせなクラスなためお説教をされたことは何度かある故に事の重大さを理解してない者も居るが、教師からお説教されるのと学園が直接動くのでは話の次元が違いすぎる。


「うわ~。 超りんどうなるの?」

「さあ? 大学部なんかだと処分の軽減の為の書名活動とかしてるらしいわよ。 まあ年も年だし退学はないとは思うけど。」

朝倉としては超が少々好き勝手にやり過ぎたのではと思ってるらしく、加えて年齢も未成年なので退学はないだろうと予測するが彼女も正直突然の査察には訳が分からないのが本音だ。

まあ超鈴音の校則破りなんかは以前から一部で問題になっていたのは報道部のツテで知ってはいたが、ただまあ才能ある超の経歴に泥を塗るような真似をするとは一般的に考えると思えなく何か裏があるのではと考え始めていたが。

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