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GS試験再び!?

「構わぬが、約束は出来ぬぞ」

「ええ、こっちもそんなに期待してる訳じゃないから。 ただあの白龍会がメドーサの手下でほぼ決まりよ。 その返を理解して戦ってちょうだい」

自分を無視したまま心眼に状況を説明する令子に、横島は内心ため息をはく

使える物は何でも使うのが令子だが、まさか心眼まで使われるとは思わなかった

まあ一・二回戦の横島の戦いの評価の結果なのだろうが、複雑な感情を抱えてしまうのは仕方ないだろう


「んじゃ行って来ます」

話が終わり淡々としたまま試合に向かう横島に、令子は言いようがない不安を感じる

しかしギブアップしろとは言えなかった

それは強い横島に期待する気持ちと、不安が入り混じった気持ちである

令子の心の奥底には横島が強く頼りになるのを期待する気持ちもあるし、強くなり変わりゆく横島に不安を感じる気持ちもある

もしかしたら令子は、心のどこかですでに理解していたのかもしれない


横島との縁が突然切れてしまったことを……




「さて厄珍さん、次は横島選手対陰念選手の試合ですが……」

「白龍会の三人は他の受験生と別格ね。 あのボーズもいよいよ終わりあるかな」

試合場の結界内に入り睨み合う横島と陰念を厄珍が解説するが、やはり以前の横島を知るだけにそろそろボロが出ると考えてるようだ

まあ普通に考えれば霊能力に目覚めたばかりの素人がまともに戦えるはずもなく、当然の予想ではあるのだが……


「美神令子の弟子なら手加減は要らねーな」

「単なる雑用だよ。 何一つ教わってないしな」

「じゃあ、さっさと終わらせてやるよ!!」

軽口を交わす横島と陰念だが、試合開始の合図と共に陰念は霊波砲を撃つ

先程のトイレでの態度と違い今の横島は怯えた様子の演技はしてないが、陰念は違いに気づかないようだ


(たいした威力じゃないな)

パワーもスピードも霊波砲としては最低ランクだろう

霊力の練り込みも足りず避けるまでもないのだが、時間稼ぎが必要なため横島はサイドステップで避ける


(とりあえずメドーサと小竜姫様が揃うまで時間を引き延ばすか)

そのまま一定の距離を保ちつつ時間を稼ぐ横島だが、陰念は何回か交わされていくうちに苛立ちを募らせ始めていた


「あの馬鹿、まだ奴の実力がわからんのか」

「しょうがないわ。 所詮陰念には私達ほどのセンスがないんだから……」

まだ横島をナメてかかる陰念に雪之丞と勘九朗は呆れた様子だが、それでも試合に目を向けている

二人共に横島や令子達などの、自分達と当たりそうな相手の試合はしっかり見ていた

強さに自信がある二人だが、相手をナメてかかるほど愚かでは無いようだ



陰念が苛立ちながら横島を攻撃する中、横島と心眼は会場内に入って来たメドーサの力を感じていた


「来たか……」

「油断出来んがやり過ぎると目をつけられるぞ」

メドーサが来た事で横島の表情が僅かに険しくなる

陰念はどうでもいいが、現時点での横島がメドーサと戦えば文珠抜きでは勝てない可能性が高い

これから先メドーサの目を欺きながら戦うのは、横島といえど楽ではなかった


「なかなか厄介な相手ね。 でも他の二人に比べれば弱い。 出来れば手の内を暴いて拘束したいんだけど……」

一方横島と戦う陰念を食い入るように見ていた令子は、白龍会がメドーサと繋がる確信を得ている


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