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二年目の春・3

さて近右衛門の翌日の朝はハニワ兵達からの報告に目を通すことから始まった。

超鈴音の計画自体は事前に土偶羅が調査した内容と変わりないことが裏付けされていて、あとは茶々丸シリーズ以外のロボット兵器が大量に押収されている。

正直報告だけを見るとテロリスト以外の何者でもなく、未来から来たという事実でさえ正当化出来るとは思えぬ物だった。

皮肉なことかも知れないが超鈴音を追い詰めたのが横島側からの情報ならば、情状酌量の余地があると明らかにしたのも横島側からの情報である。

現状ではともかく近右衛門としては超鈴音の計画を穏便に闇に葬れるように細心の注意を払うしかない。


「おはよう、和食にするか? 洋食にするか?」

「洋食にしよう。」

「俺モ洋食ガイイ。」

一方横島宅に泊まっていたエヴァ一家だが、茶々丸は横島とタマモと一緒に早朝から起きていたがエヴァとチャチャゼロが起きたのはもうすぐ午前十時になろうかという頃だった。

横島は二人のリクエストを聞き朝食の支度をするが、メニューは店で出してる朝食メニューと同じになる。

この日はカリカリに焼いたベーコンに半熟トロトロの目玉焼きを合わせたベーコンエッグをメインに、新鮮な生野菜のサラダとトーストというシンプルなメニューだ。

トーストは二枚出しているので一枚はバターでベーコンエッグやサラダと共に食べ、二枚目は自家製のジャムをたっぷり乗せて食べるのが常連の食べ方となる。


「おう、姉ちゃん遅かったな。」

「年寄りと一緒にするな。 朝は苦手なんだ。」

この日エヴァは大人の姿でチャチャゼロは認識阻害の魔法を使い一階に来た二人に横島はさっそく注文の朝食を出すが、エヴァが来るのを待ちわびていた常連の年配者にさっそく捕まっていた。

通常横島の店では洋食にも箸を出しているがエヴァはやはり慣れたフォークとナイフで優雅に食べており、男性の年配者を魅了していく。

本人に特にその気はないのだが、食べてる姿を見てるだけで絵になるのはエヴァの美貌は元より食べ方に色気があるからだろう。

二枚目のトーストを半分に割いて自家製のイチゴジャムを乗せて食べる姿に、年配者はあと三十年若ければと心底嘆いていたりするが。


「きょうはね、いちごのぷりんがおすすめなんだよ!」

「イチゴのプリンか。 貰おう。」

ちなみにタマモはこの日もみんなが帰ってくるまで私が店を守るんだと張り切っていて、時間的にも暇らしく何故かエヴァにまでスイーツを勧めていた。

どうも店を守るというのはたくさんの人に食べて貰えればいいと思ってるらしい。


「よし、勝負だ!」

「……貴様も暇だな。」

食後エヴァとチャチャゼロはイチゴプリンを食べてゆっくりするが、エヴァは待ちきれないと言わんばかりに囲碁の勝負を挑まれてしまう。

先程から食べてる姿をジッと見られていただけにエヴァは本当に暇なジジイだと呆れながらも、特にやることがないからか勝負に付き合うことにする。


「モテモテだなぁ。」

「いつもこうなのですか?」

「最近は割とな。」

そして相変わらずのエヴァと年配者の光景に横島はモテモテだと評するが、茶々丸は主の意外な一面に普通に驚いていた。
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