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母からの伝言

「えっ!? まだ終わってないのか?」

なんだかんだ言いつつもカラオケで盛り上がり熱唱して帰った横島は、ハーピーの件が片付いてない事実に驚きを隠せない

多少の歴史の変化はあっても大筋で変わるとは思ってなかったのだろう


「ええ、結界のある事務所から出ませんでしたから」

「ああ……そのことか……」

横島の失敗が無くなり令子とおキヌが失敗を犯さなかったと聞くと、横島の表情は僅かに引き攣る

どう考えても未来で事態を悪化させたのは横島が原因なのだから


「まずいかもしれんな。 このままでは逆に危険だぞ」

「私もそう思います。 親子が揃いハーピーを警戒させて冷静になる時間を与えてしまいました。 乱戦に持ち込めなかったのはむしろ危険性が増しただけかと」

横島は自分の居ない令子の行動に考えさせられるモノがあったらしいが、心眼と魔鈴は逆に危険になっただけだと言い切る

実際ハーピーはあまり優秀な魔族ではないが、力が弱い分だけ人間を警戒する頭はあった

美智恵がどう出るかにもよるが、基本的に令子は冷静沈着な行動はあまり得意ではなかったりする


「結局あの人次第か。 まああの人にとってはハーピー程度なら朝飯前だろうよ」

事態は流動的でありこの先どう転ぶかは誰にも分からなかった

はっきり言えば歴史は思った以上に変わりやすいということだろう


「考えていても仕方ありませんね。 夕食にしましょうか、今夜はクリームコロッケですよ」

「おっ、クリームコロッケは久しぶりだな~」

しばらく重苦しい空気が辺りを支払いしていたが、横島と魔鈴がいくら考えても解決する訳ではない

まあ美智恵が居る以上それほど深刻な問題は起きないだろうと考え、二人は早々に夕食の話に切り替えていた

一応事務所を離れた場所からの監視続けるが、令子達が外に出なければ意味がないし夜間に外に出るほど愚かではないのは明らかなのだから


「美味いな!」

そのまま夕食にする横島達だったが、雪之丞は相変わらず人一倍ガツガツと詰め込むように食べている

それに対して昔は雪之丞と同じような食べ方をしていた横島は、年齢的にもある程度落ち着いた食べ方をしていた

他にはカオスも一緒に食事をしているが、こちらはボケが治った影響からかかつての知性と品性が戻っている

最も二人の食べる量は昔と同じく多いのは変わらないが

まあどちらにしても堅苦しい雰囲気はなく、和気あいあいとした食事風景であった



「結局私がやるしかない訳ね」

「当たり前よ。 本当なら私の助けはなくて貴女一人で戦う相手なのよ」

一方ハーピーをどうするかでずっと揉めていた美神親子だが、結局は令子が主体となり美智恵が手伝う形でようやく収まる

これが妥協案なのか美智恵の計画の一部なのかは知らないが、やはり美智恵は令子に戦わせたいようであった


「全く、なんでママの厄介な能力の為に私が狙われなきゃならないのよ」

一応話は着いたはずなのだが、やはり令子は美智恵の能力により狙われるのをあまり納得してないようである

まあ自分も能力があるなら分かるが、遺伝するかもしれないという程度の話で狙われる身としては理不尽さを感じずにはいられないのかもしれない



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