このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

二年目の春・3

「タマちゃん今日は頑張ってるね。」

「うん! みんながかえってくるまでわたしとちゃちゃまるさんでおみせをまもるの!」

同じ頃横島の店では放課後の学生達で賑わっていたが、この日は木乃香達が居ない分だけタマモが張り切って働いていた。

いつもより更にやる気になってるようで常連の子達は不思議そうにしたり誉めてあげたりするも、理由は明日菜達と居ない間は店を守ると約束したからである。

タマモにとっては店はみんなが集まる家というか巣のようなものであり、絶対守らねばならないものなのだろう。


「この店を流行らせたのあの子達だもんね。」

「マスターって料理は上手いし面白いのは面白いんだけど。」

人は居なくなって初めてその人の価値を知るなどと言うがそれは横島の店でも同じようで、盆や正月ですら居た明日菜すら居なくなると常連であればあるほど何か物足りなさを感じてしまうようだった。

基本的に店を営業するだけならば横島一人居れば最低限出来るが、横島一人で現在のように流行らせられたかと言えばやはり疑問符がつく。

女の子ならではの気配りと横島を自由にさせつつ上手くフォローしながら店を支えて来た木乃香達が居ればこその現状なのだと改めて思うらしい。

まあタマモにしても誰でも友達になれるが、やはり木乃香達が別格なのはこれも常連ならば知ってることな訳だし。


「従業員って感じじゃないのよね。 麻帆良祭のイベントみたいって言うか家族で手伝ってるみたいって言うか。」

学生の街である麻帆良は日本の他の地域と違い超包子や新堂の店のように学生の経営する店も珍しくはないが、それでも横島の店のように仲間うちで和気あいあいと営業する店は意外に多くない。

堅苦しい挨拶や接客もなくアットホームな店は少なくとも学生が気軽に入れるところにはなかった。

家族のように見えるのは幼いタマモがまるで家族のように木乃香達に接しているからだが。


「そういえばあの人って何者なんだろ。 凄い美人だけど。」

「最近よく見るのよねー。」

なおこの日は茶々丸が朝から晩まで働く影響でエヴァとチャチャゼロも朝から来ているが、エヴァは大人バージョンで一階と二階を行ったり来たりしていてチャチャゼロは二階でハニワ兵達と暇潰しに遊んだりしている。

木乃香達が居ない間は茶々丸がエヴァ達の夕食を用意できない影響でエヴァ達は横島宅で夕食を食べることになってる上、横島と茶々丸は超鈴音関連の拠点の制圧とオーバーテクノロジーの押収と分析に夜は忙しいのでエヴァとチャチャゼロは横島宅に泊まりタマモの面倒をみてくれるように頼んでもいた。

ただ常連の女子中高生は二階にまで上がり込む大人の姿をしたエヴァが誰なんだろうと噂することになる。

まあ少し前から外人の美女も横島の店では見掛けて、本人が横島の女だと言ったとの噂は年配の常連から女子中高生にまで流れていたのでこの人が噂の人かなとは気付いてはいたが。


「マスターの本命?」

「でもあの子達も友達には見えないわよ。」

「っていうかこんだけ親しい女の子がいるのにみんな仲良さげなのが不思議。」

結果としてエヴァは横島の彼女かもしれない女性がまた増えたと常連の女子中高生達に見られて、彼女達が密かに行ってる誰が彼女になるか賭けるトトカルチョにリストアップされることになる。



55/100ページ
スキ