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二年目の春・3

「ハワイだー!!」

「英語だ!」

3ーAの少女達が長旅を終えてハワイのホノルル空港に到着したのは日本時間の夕方四時半頃で、ハワイ時間だと午前十一時半のお昼前であった。

空飛ぶ密室と言える飛行機を降りると少女達は途端に解放感からテンションが上がり、空港内の英語の看板や掲示板に何故か興奮した様子で騒いでいる。

少女達は時差の関係から時計を直したりしているが、一番感じるのはやはり麻帆良と比べると気温が高く日差しが強いことだろう。

ただ異空間アジトに何度か行ってる少女達からすると気候には慣れているので、ちょっとした旅慣れた人のような気分だったが。


「やっぱり景色は違うわね。」

尤も同じなのは気候くらいで後は同じものを探す方が難しいかもしれない。

まず異空間アジトでは車は基本的に右側通行だし標識や看板は全て日本語であった。

移動に使っていた空飛ぶバスも見た目や内装は日本のバスと似ていてハワイのバスとは違う。

明日菜を始めとして異空間アジトに行ったことがある少女達は似て非なる世界なのだと改めて感じ、奇妙な錯覚のような感覚でハワイの景色を楽しんでいく。


「意外に都会って言ったら失礼かしら? もっと南国をイメージしてたんだけど。」

なお本物のハワイに来てみて感じたのは思っていたより都会なんだというものだった。

テレビや雑誌でなんとなく見ていたハワイと異空間アジトのハワイのイメージから南国リゾートのようなイメージだった美砂達三人なんかは、普通にビルがある都会の街並みに少し驚いている。

異空間アジトのハワイはもちろんビルなどもあるにはあるが本物のホノルルほどの都市ではなく、日本風南国リゾートの街並みといった感じが強い。

ただまあ道路や歩道なんかは広く作られていたり街路樹が南国植物なのは同じなので、全く違うという訳でもないが。


「うわー。」

「これが一人前ですか。」

さて少女達はホノルル市内のレストランで昼食を食べてハワイについての説明を受けることになるが、食事の量の多さにまずは驚くことになる。

横島の店の二倍はありそうな量の豪快な食事に夕映やのどかは少し怯んでしまうもハワイなんかだとこれが普通だと聞く。


「でも結構美味しいよ!」

「ハワイは日本人向けの料理も珍しくはありませんから。 海外では日本人の舌には合わない料理の店も珍しくありませんが。」

肝心の味に関しては結構美味しいという意見が多いが修学旅行なだけに日本人の舌に合う店に来たのだろうとあやかは語る。

実際生活習慣や生まれ育った環境の違いからか、海外では合わない料理は珍しくない。


「でもちょっと味が濃い気がするわね。」

「横島さんのレシピ基本的に塩分と油は控え目なんよ。 だから余計気になるんやと思うわ。」

ただ結構美味しいのは確かなものの少々味が濃く脂っぽい感じが特に横島と親しい少女達は気になるらしいが、それに関しては横島が意外にも塩分や油などを控え目にしてるので余計に感じるらしい。

木乃香なんかはその辺りの事情をよく知っているが、体重や体脂肪なんかを気にする少女達の為に横島は日頃の料理なんかは基本的に塩分や油分を気持ち控え目にしていた。

ぶっちゃけ横島や木乃香の料理の方が自分達の口には合うなと思うが、横島も以前に何度かアメリカ風料理を作ったが本場はやはり食材なんから違うんだなと感じる。

というか横島や木乃香の料理を基準にするのは無理があるのは誰もが理解していたので、そこまでは誰も言ってないが。


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