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二年目の春・3

一方横島の周囲の少女達は超一味と対照的に忙しくもなくいいつもと同じ日常を過ごしていた。

夕映・のどか・あやかの三名はかなり前からから関係者に修学旅行へ行くことを伝えているし、特に忙しいあやかですら仕事を抱えすぎるようなことはしてない。

以前から度々説明しているが任せることは任せて頼るべき人には頼るべしというのが横島のモットーであり、身近に居る少女達はその成果を目の当たりにしている。

結果として突出した能力がある夕映やあやかですら本人すら意識してないうちから、一人で考え動くのではなく周りと協力するやり方を自然と出来ていた。

それは本来の少女達にはないものだが天才肌で基本的に一人で考え一人解決したがるネギと、元々欠点だらけで人に頼らねば何も成し得なかった横島の根本的な違いが影響しているのだろう。

皮肉なことにネギの子孫である超鈴音はネギと同じ天才故に少数で事を成そうとするのに対し、木乃香達は横島に振り回されながらも周りと協力し頼って物事を進めている。

超の計画に現時点では木乃香達は一切関わってないが、それでも超を密かに追い詰めてる横島と近右衛門が信頼関係を築けたのは木乃香達の存在を抜きには語れないのだと考えると間接的に超を追い詰めたのは少女達だと言えなくもない。

そして無意識にでも運命を変えてしまう横島の非常識さが超鈴音を苦しめてるのかもしれないが、まあ少女達にも横島にもあまり関係ない話であった。


「これは地下に在庫がいくつかあるので。 在庫はこれに記載してあるのでよろしくお願いするです。」

「はい、分かりました。」

さてそんなこの日横島の店では、茶々丸が明日からのバイトに入っていて明日からの単独でのバイトを前に細々とした確認事項を教わっている最中だった。

放っておくと勘とどんぶり勘定で店を運営する横島なので、いつの間にか木乃香達が細々とした帳簿を付けて在庫管理なんかをしている。

そのため夕映は茶々丸に最低限の在庫の置き場所や在庫管理の書類などを見せて居ない間の在庫管理を頼んでいた。

まあ横島に任せてもなんとかするのだろうが、帰って来てから仕事が増えるのも嫌なので出来る範囲でいいからと茶々丸に頼んでいるのだ。


「茶々丸さん大丈夫? 無理しなくていいわよ。」

「大丈夫です。 私はガイノイドなのでこういった作業は得意にですから。」

常連の女子中高生は楽なバイトだと見てる者も居るが意外にやることが多いのが横島の店のバイトであり、明日菜やのどかは流石にいきなり教えても大変だろうと気遣うも元々茶々丸は学習型AIなので細々とした仕事を覚えるのは問題ないらしい。

ちなみに明日からの期間限定で茶々丸が働くと知ると何人かは木乃香達の居ない間のバイトを狙っていたらしく残念そうな表情をしたが、ご近所で有名ないい人である茶々丸ならば文句の付けようがなかった。

金持ちが道楽でやってるような店にも見えるだけに、あわよくば横島に近付きたい女性はやはり居たようである。

なお先日店で大人バージョンのエヴァと火花を散らしていた魔法協会の女性も、今日の午前中にさっそく手伝おうかとアピールしていたが横島にやんわりと断られそれを見ていたエヴァに鼻で笑われた結果また火花を散らしていたが。

それと最近エヴァが大人の姿で横島の恋人というような態度を取ったりして遊んでいることは、すでに横島の周囲の少女達にも知られていたが今のところあまり問題視してない。

どこまで本気なのかと気にしてはいるものの事実上身内になるエヴァなだけに、過剰に反応をする訳にもいかずに様子見といったところなのだろう。

極論を言えば少女達は横島の恋人ではないので横島やタマモが受け入れるならば無理矢理追い出すようなことは出来ないだけでもあるが。



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