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二年目の春・3

その後の話は具体的な段取りをどうするかへと移り、超鈴音の計画の詳細を知らない茶々丸や高畑にその内容を明かしつつ話を詰めていく。


「思った以上に拠点が多いですね。 これを私達だけで?」

具体的な資料は土偶羅が纏めたものなので分かりやすくはあったが、拠点などに関しては使い道や重要性など詳しく書かれているのでお世辞にも少ないとは言えない。

近右衛門達は元より横島やエヴァまで資料を見ていくが、拠点は秘匿されてる拠点だけで十ヶ所以上ある上に超包子やお料理研究会などの関連施設を加えるとどう考えても修学旅行期間中に拠点を押さえ必要な物を押収するには人員が足りなかった。


「超包子などは表向きは学園として抜き打ちの査察して調査するしかあるまい。 魔法協会としては超君の情報の不正アクセスの容疑で動かす。 あと本命の秘匿施設や研究室は魔法協会にも明かせぬしハニワ兵を出してもらうことになっておる。 オーバーテクノロジーの類いの物は一旦全て横島君に預けるのが一番安全じゃからのう。」

修学旅行期間中は高畑も居ないのでこの規模の拠点を数人で押さえて必要の物を押収し調査するのは無理だろうと刀子は口にするが、近右衛門はその点に関しては雪広家や那波家との会合である程度方法を詰めている。

重要施設以外の超包子などに関しては学園の査察という名目で調査し実態の把握に勤めるが、どのみち土偶羅の調査で重要性はないと分かっている拠点なので確認程度の査察で十分であり、一般生徒への影響を考慮して超包子の営業は当面認める方針だった。

魔法協会としては表向きの査察に同行して超鈴音の魔法協会の情報への不正アクセスの容疑で超包子などを捜索させるが、こちらもオーバーテクノロジーや未来知識などに関しては秘匿する予定になっているので研究室や重要拠点はハニワ兵達に動いてもらう予定なのだ。


「面倒っすね。 まあ仕方ないんですけど。」

本来は全て学園と魔法協会で処理して欲しい横島はあまりに面倒な問題に顔をしかめるが、これらは全て横島も同意している案件である。

目的は可能な限りオーバーテクノロジーと未来知識を秘匿することであり、超鈴音が持ち込んだ技術や知識に歴史などの情報はすでに開示されてる分を除きハニワ兵が全て押収して異空間アジトで管理されることになっていた。

超鈴音自身はオーバーテクノロジーの扱いなどは葉加瀬に委ねるつもりらしいが、近右衛門達も横島も葉加瀬をそこまで信頼しておらず可能な物は全て押収する気でいる。

葉加瀬自身は根っからの研究者なので下手な野心などは抱かないと思われるが、子供のような安易な正義感で動いてる節もあり余計に危険だとも思われていた。

何よりオーバーテクノロジーの類いは現状で公開してる範囲でも付け狙う国や組織多いので、葉加瀬に任せると外部に流出するのはもちろんのこと葉加瀬自身や家族の安全すら保てなくなる。

近右衛門としては彼女を後生大事に守るよりは秘匿されてるオーバーテクノロジー関連や未来知識の記憶を消去して自由にさせるべきだと考えているらしい。

仮に協力や秘匿を強制して後々に恨まれるよりは危険性を排除して後は自由にさせた方が無難であった。

まあ下手するとその後に何処かの国や組織に弱味やら家族を握られて自由を失う可能性もあったが、超鈴音関連の記憶さえ消せば優秀な研究者でしかなく後は自己責任でどうぞということでしかない。

学園の生徒である間は最低限守るが、その後彼女が自身の人生をどう歩むかまでは誰にも分からないし強制は出来ないのだから。


「高畑君はすまんが修学旅行期間中は二人から目を離さんようにの。」

なお高畑は修学旅行期間中は超と葉加瀬を監視することになり、万が一二人が逃亡したらすぐに対応せねばならない。

二人の性格上逃亡するとは考えにくいが現状では超鈴音のこの数年の努力の全てが無駄になるので、あり得ない話ではなかった。

まあどのみち土偶羅も監視しているので高畑は逃亡しないための抑止的な監視であり、万が一本当に逃亡したら横島か刀子が動くつもりだったが。


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