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ただ今修行中!?

それから数日後、横島と雪之丞はGS修行のためにエミの事務所に来ていた


「なんでおたくまで来たのよ、横島」

雪之丞と一緒に着いて来た横島に、エミは若干呆れたような視線を送る


「いや~、興味あったんで見学をしたいと思いまして……」

横島はへらへらと笑って答えるが、目的が真剣なのはエミも理解していた


(強くなりたいワケね……)

ぱっと見は昔と変わらぬ態度の横島だが、その瞳の奥には強さを求める強い意思が見えている

自分の立場や状況などあまり理解してない横島だが、本能的に強くならなければならないと感じてるようであった


「まあ、いいワケ。 今日は呪術に関しての基礎を教えるわ」

横島と雪之丞とタイガーの真剣な眼差しに、エミはさっそく講義を始めていく

まずは誰でも知るような呪術の基礎知識から始まり、呪術に対する対応などが主な内容だった

雪之丞やタイガーの場合は呪術を習う訳ではなく、それに対応する知識や技術が必要なのだ


「世の中には呪いの類を使う妖怪や魔族も居るし、呪いを仕事にする霊能者も居るわ。 GSにはそんな呪いから客を守る仕事もあるのよ」

エミは出来るだけ解りやすく話していたが、正直横島達にはギリギリだった

話は聞いているが覚えるのはまた別だし、一応ノートはとっているが理解にはほど遠い状況である


「そういえば、エミさん地獄組の組長を呪ってましたね」

ふと思い出したように以前の事を話す横島に、エミは若干複雑そうな顔をする


「確かに私は呪う方もやってるけど、相手は選んでるわ。 おたく達、地獄組がどれだけあこぎな連中か知らないでしょ?」

少し間が空いた後、エミは以前に呪った地獄組に関して話し始めた

横島とタイガーは一般的なヤクザのイメージしかなく首を傾げるばかりだが、雪之丞は険しい表情になっている


「あそこはヤクの密売や闇金から違法カジノまで幅広いし、地上げ屋まがいの事もしてる有名な暴力団だからな」

ぽつりと呟くように語る雪之丞に、エミは驚いたような表情をした


「俺はGSまがいの仕事を少ししてたからな。 そっちの情報も聞いた事がある。 美神令子がそっちの連中にどれだけ頼られてるかも知ってるしな」

過去を思い出し複雑そうな表情になった雪之丞は、やはり横島やタイガーが知らない裏社会の一部を知っているようである


「そういえば、美神さん地獄組の仕事何回かしてたな。 違法カジノ船にも行った事あるし」

地獄組の現状を聞いた横島は顔面蒼白になり昔を思い出していく

地獄組の組長自体それほど怖くなかったため安易に考えていた横島だが、真実を知るとそれに加担した自分がどれだけヤバい事をしていたか気が付いたようだ


「別にヤクザが全て悪いって訳じゃないし、呪いで自首させるのがいい事だとも思わないわ。 でもね……、地獄組の影で泣いてる人は少なくないのよ。 私はあんな連中は絶対許せないワケ」

その時初めて知ったエミの本音に、横島達は目を見開き驚いていた

唐巣や魔鈴のような手段とは違うが、エミはエミなりに正義がありプライドがある

当たり前の事だがそんなエミの本音に、横島は改めて考えさせられるものがあった


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