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二年目の春・2

「あー、終わった終わった。」

最終的にこの日の新人研修は途中でトイレ休憩を挟んだもののおよそ二時間半ほどで終わった。

具体的にあのあとは魔法協会各部署の責任者や近右衛門に高畑や刀子などの実力者が軽く挨拶をしてこの日の日程は終わりだったが、実は新人研修は後二日日程があり明日と明後日の土日は魔法協会の施設見学や魔法協会の規則や基礎魔法学の講義に初歩魔法の訓練など結構いろいろあるらしい。


「君達は明日と明後日も出るのか?」

「私達が出るのはあとは明後日の最後の食事会だけですよ。 私達も魔法協会に加わる訳ではないので。」

初日の研修もやっと終わりずっと座りっぱなしだった為に横島達も豪徳寺達も固まった体をほぐすようにしているが、バトルジャンキーである彼らも話はほとんど聞いてなく意外に真面目な豪徳寺以外は寝てる者まで居たくらいだ。

研修が終わり足早に公会堂から出ていく人々を見ながら横島達と豪徳寺達は混雑を避けるようにしばらくその場で待っていたが、ふと豪徳寺が横島達に明日以降の研修に参加するのか尋ねていた。

一部には魔法協会加入者だけの見学なんかもあるが、基本的に明日と明後日の日程も参加の有無は自由である。

豪徳寺達もどうやら横島達と同様に参加を頼まれたらしく、同じように初日の説明とラストの食事会には参加するらしい。


「ねえねえ、どっか遊びに行こうよ!」

「貴女達、こんな夜に遊びに行くのは校則違反ですよ。」

「いいじゃん、一応保護者もいるんだし。」

その後横島達は豪徳寺達と一緒に公会堂を出ていくが、長いことつまらない説明を聞いていた美砂達が遊びに行きたいと騒ぎ出す。

時刻は九時半を回っており麻帆良学園の校則でも流石に遊びに行くのはダメな時間ではあるが、成人の保護者が同伴ならば大丈夫なことにはなっている。

一応あやかなんかは少し渋い表情をして注意をするものの他の少女達は乗り気だったことで、刀子や刹那も呼び古菲に豪徳寺達もついでに一緒に行くことになるとなし崩し的に遊びに行くことになってしまう。


「アイヤー、マスターも強いアルか!?」

「まあ、そこそこな。」

一行はそのままカラオケへとなだれ込むも金曜の夜である上に多人数であることも影響して、すぐには部屋に入れず三十分ほど待つことになったためカラオケ屋のロビーで雑談をしていたが話題は横島の実力になっていた。

古菲と豪徳寺達バトルジャンキー組がずっと気になっていたらしくあれこれと聞いてきてしまうと、横島は少し困った表情を見せるも結局はある程度戦えると説明するしかない。

まあ横島自身は最初はたいしたことはないと実力を隠そうかとしたようだが、少女達は隠しきれないと思ったのかはたまた下手に隠すと余計に興味を引くと思ったのか一般の魔法関係者の中では強い方だと曖昧な表現で説明している。

もちろん説明していたのは夕映とのどかがほとんどだったが。

少女達の中では一番魔法関係の常識や情報に詳しく横島のせいで交渉力がついた影響で、二人は魔法関係者の間での一般的な横島の評価をそのまま語っていた。



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