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二年目の春・2

続いて魔法協会の立場や役割など先程公会堂入り口で配っていた資料を見ながら説明していくが、魔法協会には外交部や情報部や秘匿情報管理部などの対外部署から警備部や財務部や技術開発部や施設管理部や保険衛生部などの魔法協会及び麻帆良を裏から維持管理する部署が存在する。

秘匿情報管理部については魔法及び魔法協会の秘匿情報を秘匿する工作をしており、対外的に魔法や魔法協会の存在が露見した際に事態を終息させる部署である。


そしてこれらの部署に配属されるのは見習いを終えた者に限定されるが、中でも個々の希望や成人の場合は表の職業もあるのでそれとの両立など条件に合う者が配属されていた。

更に成人した魔法協会員でも半数ほどは専門の所属を持たない協会員で、こちらは個々のスケジュールに合わせて魔法協会の仕事を手伝っている。

主に麻帆良祭なんかは所属を持たない会員もほぼ総動員されるし、麻帆良祭と盆と正月など魔法協会が手薄になる頃だけ手伝い小遣い稼ぎをする魔法協会員も居たりする。

ちなみに横島の身近な魔法協会員である刀子や高畑は専門部署を持たず近右衛門の直属扱いであった。

現在も関東魔法協会と同時に関西呪術協会にも所属する刀子と、メガロメセンブリアの独立系下部組織である悠久の風に未だ所属している高畑は関東魔法協会内では共に立場が他とは違う。


「ねえ、これって覚えなきゃダメなの?」

「いらないんじゃない? 必要ならいいんちょとか夕映ちゃんが覚えるって。」

魔法協会員による挨拶に続き資料を見ながら魔法協会の部署とその仕事なんかまで大まかに説明していくが、はっきり言って初等部なんかの小さい子や少女達には覚える必要があるか疑問がある内容のようだ。

明日菜やさよに美砂達に古菲なんかはすでに話を右から左へと聞き流していて、同じく話が難しすぎて理解できないタマモをあやしている。

ぶっちゃけこの手の話はあやかや夕映達に任せようと丸投げしてしまう辺り少女達は悪い意味でも横島に染まっていた。

ただ普通はこの新人研修で覚えなくとも何年か見習いをやって魔法協会に参加してるうちに自然に覚えるものなので、他の新人もまあ未成年は似たようなものでいまいち真剣に聞いてない者は結構居たりする。


「なお四月と五月は初心者向けの講義や訓練が多くありますので良ければ参加してみて下さい。」

その後説明は新人向けの話に変わり魔法協会で行っている全体の講義や訓練の話になっていた。

基本的に見習いには担当の指導者が付くが、それとは別に魔法協会としても最低限の全体講義や訓練は行っているらしい。

魔法協会主催の講義や訓練は年間を通してあって、中でも人気なのはやはり高畑や刀子の講義や実地訓練で共に魔法世界でも通じる力を一般の魔法関係者が見ることが出来る貴重な機会となっている。


「なんかカルチャースクールみたいだな。」

「ほんまやな~。」

ちなみに一応大人しくしている横島であるが、彼も小難しい話は半分ほど聞き流していた。

ただ横島も魔法協会の詳しい事情はほとんど知らなかったらしく、意外に充実した新人育成に半ば感心している。

横島の場合はどうしてもかつての世界の価値観もあるので、かつての世界のGS協会のように組織として新人育成に力を入れてるとは思わなかったらしい。



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