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二年目の春・2

「さて今年の麻帆良祭についてですが……、そこ話を聞いて下さい!」

一方新学期が始まった3ーAではホームルームにて先にも説明した通り早くも今年の麻帆良祭の話し合いを始めていた。

だが新学期に入ったばかりでまだ麻帆良祭までは期間もある上に休みボケの感がある少女達はいまいち真剣見がなく騒いでいる。


「やるからにはやっぱ稼ぎたいよね。」

「やっぱレストラン? でも去年とおなじじゃつまんないよ。」

一応横島は確保してるのでレストランをやると儲かるだろうと単純に考えるお気楽な少女達であるが、今年は中学最後の麻帆良祭なのでまた周りをあっと驚かせることがしたいと考える者も多い。


「うちのクラス予算も技術も人脈も潤沢だからね。」

通常中等部なんかだと何をするにも必要となる予算や技術に人脈などの確保が大変だったりする。

設備や道具なんかは学園から借りることも可能だが数に限りがあるし、予算に関しては一律で学園から支給されるもまともに出し物をやるならば到底足りる額ではない。

売り上げを自分達の収入に出来る分だけ予算に関してはシビアになっていた。

その点3ーAは予算も技術も人脈も何一つ困ることはなく、口の悪い連中が最早中等部の出し物ではないと言うのも無理はない。


「今年はメイドを売りにしたメイドレストランなんてどう?」

「いいわね! 楽しそう!」

そのまま話し合いは脱線しつつもなんとか進んでいきレストランにイベント要素をプラスするという昨年の路線が有力であることに代わりはなく、ハルナと裕奈なんかは今年は高級料理が売りのメイドレストランにしようかなんて話で勝手に盛り上がっている。


「私、あんな恥ずかしい格好するのはちょっと。」

「昨年の評価のポイントは来客数もあるのよね。 薄利多売の戦略の結果一般票が多かったから一位になれたのよ。 客単価を上げれば多分来客数が減る分だけ評価が下がるわ。」

ただ夏美なんかは速攻でメイドカフェのような接客はムリムリと顔を赤らめて否定していて、千鶴は昨年の総合一位の原動力である薄利多売の戦略を変えれば評価が下がるだろうと分析する。

ちなみに横島に近い少女達はあまり男性客を集めすぎると肝心の横島のテンションが下がることも密かに危惧していた。

通常横島は男性客を差別したりはしないが、昨年のようなやる気を出させるにはメイド目当ての男性客ばっかりでは無理なのは理解していた。


「タマモちゃんが楽しみにしてるんですよ。 この前昨年の麻帆良祭での皆さんの店がテレビに入っていた時は食い入るように見てましたから。」

「あー、そう言えばそうよね。 タマちゃんの意見も聞いてあげないと。」

その後ハルナと裕奈は数人のクラスメートとドキッ女だらけの水着レストランやら猫耳らぞくレストランやらどんどん脱線していくが、暴走する友人を放置した木乃香達は今年の麻帆良祭を誰よりも楽しみにしているタマモも話し合いに加えてあげようということで話を進めていく。

なお横島に近い少女達は微妙に色気付いたようで、あまり男に媚びを売るような出し物には賛成してなかったことは本来の歴史と違うところだろう。

千鶴なんかもノーパン喫茶なんて発言は冗談でもしてなかったりする。



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