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二年目の春・2

「そうですか。」

一方放課後になると夕映とのどかは桜吹雪が見頃な世界樹前広場の麻帆良カレーの屋台に顔を出していた。

春祭りも終盤となっていたが、祭り会場は未だにお花見をする人々で賑わっている。


「手間もかからなかったしコストも安いから文句ない。 イベントメニューとしては大成功だよ。 流石にプロは違うね。」

麻帆良カレーの屋台も相変わらず繁盛していて、同時に横島が気まぐれで始めたカレーおでんも引き続き好評のようだ。

二人は顔見知りの雪広グループ社員から状況を聞いていたが、味もさることながら手間がかからずコストも安い新メニューは全体を通して評判がいいらしい。

ただ横島の目論見が一部外れたのは何故かうどんを入れて食べる食べ方が流行したことか。

結果として祭り終了後には、学園の食堂棟にて試験的に常設メニュー化するとの話が持ち上がってるらしい。


「うちのコンビニでも売りたいって話はあるんだけど、こっちは時期を見て期間限定になるだろうね。 評判はいいんだけど常設メニューとして追加するには場所がないからさ。」

今回のカレーおでんはファミレスやファーストフードで出すようなメニューではなく雪広グループとしては系列のコンビニでの販売を検討してるらしいが、コンビニの場合はすでに既存のおでんがある上で新たにカレーおでんを常設するのはスペースの問題から不可能であった。

それにおでんを二種類も置くメリットもないので、普通のおでんを明らかに越える物でない限りは祭り限定メニューになりそうである。

尤も雪広グループでは日本各地の祭りやイベントに参加する機会があるので、状況次第ではそちらに使いたいとの意見はあるらしいが。


「店では売る予定はあるのかい?」

「今のところ予定はないです。 こちらも売るなら日替わりメニューとしてですかね。 手間がかからないので置いてもいいのですが、あまりメニューを増やすと横島さんが大変ですから。 食堂棟で販売して頂けるならそれが最善かと。」

結果として麻帆良カレーもそろそろ二年目に差し掛かる頃に新メニューを提供出来た意味合いは大きいが、横島の店でも正直これ以上メニューを増やせないとの理由がありカレーおでんは食堂棟での販売で調整をしていくことになる。

まあ麻帆良祭を前にいい宣伝にはなったし、今年の麻帆良祭での麻帆良カレー及びカレーおでんの販売をどうするかも現在実行委員会にて話し合われていた。

実は3ーAには昨年に続き雪広グループと共同でレストランをしないかとの提案が雪広グループ側から伝えられていて、中等部では異例ながら四月から麻帆良祭の出し物を話し合うことになっている。

鍵を握る横島はタマモが木乃香達と一緒に麻帆良祭をやることを楽しみにしてる結果、すでに3ーAに協力するからと昨年のうちから今年の麻帆良祭での仕事や協力依頼を断っていたこともあり、雪広グループとしては昨年と同じくレストランを出してほしいのが本音のようだ。

3ーAのクラスメート達にしても昨年稼いだお金や成功体験から、今年も飲食関係の出し物をしようというのは昨年からの規定路線ではあるが。

ただ昨年と同じじゃ面白くないとの意見もあり、具体的な話はあまり進んでなかったが。



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