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二年目の春・2

この夜、横島宅では横島による初めての茶々丸のメンテナンスの為にエヴァとチャチャゼロと茶々丸が訪れていた。


「やっぱ、全体的に金属の耐久性に少し難があるな。」

エヴァとチャチャゼロはいつの間にかさよとタマモにハニワ兵も加えて酒盛りを始めていて、横島は普通のノートパソコンとかつてヒャクメが使用していた神通パソコンの二つを使用しながはメンテナンスを行っている。

神通パソコンの方は異空間アジトのメインシステムと連動してるので、通常は精密な検査が必要な金属の疲労度なども調べることが可能であった。

茶々丸に関して言えばオーバーテクノロジーの塊であり、使用されている金属からして現行の世界では開発されてない未知の合金であるものの、やはり試験的な意味合いがあるのか耐久性という意味では今一つだと横島は語る。

ただいかに超鈴音とはいえ基礎技術も周辺技術も設備も何もかもが一世紀も前の世界で未来と同じものをいきなり作れるはずもなく、現状では茶々丸に用いた技術が製造可能の上限だと思われるが。


「まあ戦闘をする訳じゃないから十分だっていえば十分なんだけど。 それよりとりあえず今回は追加の機能を用意したんだけどどうする?」

そのまま独り言のように呟きながらメンテナンスをしていく横島であるが、今回は木乃香達やエヴァ達に渡した腕時計型通信機と同じシステムの通信機能を茶々丸専用で用意していた。

これに関しては動力となるエネルギーを本人ではなく完全に大気中の魔力から取るように変更していて、同時に茶々丸自身のサブ動力として非常時には大気中の魔力を使用出来るように改良も予定している。

茶々丸は元々ゼンマイによる魔力供給が必要不可欠であったが些か効率が悪いので、現状の茶々丸に影響がない範囲とのことで緊急時にはサブ動力源として自然からエネルギーを得るシステムを流用したらしい。


「あと魔法プログラムも一応加えてるから魔法も使えるようには出来るぞ。 茶々丸ちゃんの場合どうしても防御面で不安があるからさ。 万が一を考えるとな。」

加えて他の腕時計型通信機と同じく魔法の機能も茶々丸用にと流用していた。

これに関しては茶々丸の脆弱な防御面を考慮してのことであり、少女達と同じく防御魔法しかプログラムしてなかったが。

茶々丸自身もエヴァも戦闘を考えてはないが、超鈴音を直接止めに行った茶々丸の行動から横島は魔法機能の追加を決断している。


「機能の追加をお願いします。」

横島は一応用意はしたが最終的には茶々丸自身に機能詳しく教えて追加するかどうかを決断させていた。

現状では茶々丸のボディやシステムの影響を最小限にはしているものの、動力にも一部改良を加えたので結果として全体のシステムも最低限改良が加わることになる。

もちろん茶々丸の魂と連動しているAIの中でも人格などの部分は一切変えてないが。


「おっし、ならさっそく機能を追加して稼働テストするぞ。 事前にシミュレートはしてもらったから問題はないとは思うけどな。」

エヴァやタマモ達が見守る中で横島はいつもの調子でメンテナンスと機能を追加していくことになるが、最早横島がこのくらいしても誰も驚かない程度にはなったらしく淡々と話は進んでいた。

茶々丸自身はメンテナンスを頼み一ヶ月にも満たない現状で、まさか機能を追加するとは思わなかったと言うのが本音だが。

しかし通信機能は万が一茶々丸が故障など自覚した際に横島か土偶羅の本体にどんな場所からでもすぐに連絡するのに必要であり、あとは横島としては本当に最低限の機能の追加でしかない。

まあ元々土偶羅は茶々丸を木乃香達と同様に保護対象として異空間アジトのメインシステムで常時見守っているが、茶々丸との誰にも邪魔されない通信機能は遅かれ早かれ必要だというのが現実だった。


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