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二年目の春・2

翌日はまたいつもの日常に戻った横島であったが、この日の麻帆良スポーツには前日の春祭りの特集記事が掲載されていた。

麻帆良学園創成期から麻帆良を支え続けた影の立役者として麻帆良亭を紹介する記事から、現在の学生達の感想などかなり大きな記事となっている。

寄付金となる売り上げも数十万になっていたし反響も今までの麻帆良亭の限定復活にはないものもあり、イベントは全体として成功と言えるだろう。


「春だなぁ。」

さて麻帆良亭のイベントという一仕事を無事終えた今日の横島は、そんな麻帆良スポーツを読みながらいつになくだらけていた。

元々横島という男は決して働き者ではなく自己責任の範囲で自由にすることが好きなのだ。

そういう意味では麻帆良亭の名前での仕事はここ最近では他にはない緊張感がある仕事となっているが、反動で翌日なんかはだらけてることも多い。


「マスター、お花見いこう! お花見!」

「俺は昨日の打ち上げで花見したんだが。」

「それとこれとは別だよ!!」

ただだらけてるのは横島だけであり、他のみんなは元気だし特に昨日の件に関わってない少女達は今日も当然ながら元気だった。

桜はちょうど今日明日にも満開になるとの予報なので横島は常連の少女達から花見に誘われることも多いのだ。

まあ女の子に誘われるなど横島としては血の涙を流すほど嬉しいことであるが、最近は誘われ過ぎて対応に困るのもまた本音である。

まさか毎日店を放置して花見をする訳にもいかない訳だし。


「フフフ……、我々の計画は?」

「順調だよ~!」

「よろしい。 計画をこのまま続行しよう。」

「……あんたたちさぁ。」

一方常連の女の子達に花見を誘われる姿を意味深に見えなくもない笑みで見守る者が居た。

まるで某アニメに登場する人類を守るとの題目を掲げつつ胡散臭いことを影でこそこそする組織の司令のような態度を取っているのは美砂である。

それを知ってか知らずかいつもの調子でお気楽に答える桜子と少し呆れたような円もいる。

ちなみに彼女達は某アニメを見たことがないので、某アニメの真似をしたパロディをバラエティで見て知ってる程度だが。

彼女達が語る計画とは説明しなくても分かるだろうがお花見の計画だ。

横島と木乃香達は昨日打ち上げの時にお花見をしたが彼女達はまだしてないので、当然ながらお花見する気満々である。

ただまあ他の常連から誘われてるのを断っているのに自分達だけで行くと後々問題になりそうなので、異空間アジトでの花見を密かに計画していた。

横島宅のハニワ兵とはファッション関係で仲がいいだけに、異空間アジトでも普通にハニワ兵達が花見をしているのを美砂達は知っていたのである。




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