さて今回の依頼のこの後だが、ＧＳ協会の内部調査により悪質なＧＳは更に様々な疑惑が浮かび上がっていく

結果として彼は師匠たるＧＳから免許停止をＧＳ協会に申請されてしまい、同時に師匠側の同意の元でＧＳ協会による本格的な調査が行われることになる

最終的に彼は免許剥奪の上で永久追放の処分が下されるのだが、それはまだしばらく先のことだった



そして唐巣の依頼人の方だがこちらが正式に解決するのは、悪質なＧＳが免許剥奪される少し前まで待たなければならない

しかし唐巣はこの結果が出るまで定期的に依頼人の夫婦の元を訪れ、呪いを頼んだ友人に付け入る隙を与えないように努力することになる

唐巣はあえて犯人たる友人を疑うようなそぶりも見せて、牽制しつつ真相がはっきりするまで時間を稼いでいく

そして悪質なＧＳにＧＳ協会の調査が入ったと知った友人は、人知れず依頼人の夫婦の元から消えてしまう結末だった



最後に真相を知った依頼人夫婦は騙して呪いをかけた友人を怒るどころか、そこまで想い悩んだのに話してくれなかったことを悲しむことになる

夫婦としては友人の気持ちは受け入れられないが、それでも話してくれれば他の道もあったのではと考えたようだった

結局依頼人の夫は元会社への復帰も叶わずに友人を何人も失っただけに、素直に話してくれればもっといい結果になっただろうと考えずには居られなかったのだろう

ちなみに依頼人の仕事だが、唐巣が早い段階に自分のツテで紹介して早々に決まることになる

友人も唐巣の牽制により悪夢が途絶えると少しずつ戻って来て、数年後には何事もなかったかのように幸せに暮らしていくのだった



なお今後横島達に関してだが、依頼はすでに横島達が関わるような段階ではなくなり時折夫婦と会い世間話をする程度になる

後学の為に今後も唐巣から依頼の経過を聞くことは続くが、雪之丞やタイガーが唐巣のやり方の大変さを理解するには十分だった


これは余談だが後になりこの依頼の唐巣のやり方を聞いた令子とエミは、あまりに回りくどいやり方に呆れたと言う

まあ令子やエミならもっと過激な方法で依頼人の友人を締め上げるのだろうが、普通に考えても唐巣のやり方はあまりに比効率的だったのは言うまでもない

実際唐巣としては依頼人の友人が反省し自ら真相を語り依頼人と和解することを願っていたのだが、流石にそこは上手く行かなかった訳だし

最終的に友人が消えた時、唐巣と依頼人の双方が残念がったことには流石の魔鈴も呆れ気味だったとか……



何はともあれ雪之丞やタイガーは、今回の依頼を通してＧＳの難しさを痛感することになる

唐巣のやり方が必ずしも正しいとは言えないが、法律や倫理の隙間を付くオカルトに正しい方法などはあってないようなものなのだ

敵を倒したり除霊すれば済むというシンプルでない今回の依頼は、彼らがＧＳという仕事の真髄を知るきっかけの一つにはなるだろう