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真の歴史へ

「そないに都合よくいくわけあるんかいな!?」

ヒャクメが軽く話した内容に貧乏神は固まる


「本当ですか!!」

小鳩は珍しく興奮した様子でヒャクメに迫る


「本当なのねー 私は嘘つかないのねー」

ヒャクメの口調だとどうも半信半疑になる貧乏神と小鳩


『ヒャクメさん、未来を見たから気を回したのね』

『珍しく気が利いてるわね~』

ルシオラとタマモは念話で感心している

『今回は福の神への転換をさせなかったからな~』

今回横島達は、福の神への試練をわざと回避したのだ


さすがに試練を失敗した後に貧乏神を切り離すのは、あまりに都合が良すぎるので難しい

今回試練を受けるとしたら雪之丞か小鳩

だが、この2人だと結果が読めないので安全策をとっていたのだ


「ヒャクメの話は本当ですよ。 それで花戸さん、今後なんですが… 少し霊能力をコントロールする修行をしませんか?」

ヒャクメでは説得力が無いので、小竜姫が場を仕切って話を進める


「どうせ私は信用ないのねー」

ヒャクメは自分が頑張ったのに、信じて貰えず微妙にイジけている


「修行ですか… やってみたいんですが、バイトもありますし…」

小鳩の家にはそんな余裕は無い

貧乏神の呪いで日々の生活で精一杯なのだ

小鳩は悩むが残念そうに断る


「そのことなんだが、ここでバイトしないか? 貧乏神が花戸さんの守護に回るなら大抵のことは大丈夫だが、やはり早いうちに霊能力をコントロールした方がいい」

横島の提案に、ルシオラ達やおキヌや愛子は喜んで賛成する


「本当にいいんですか?」

小鳩はあまりにいい話に遠慮している


「ああ、問題無いよ。 将来のことは霊能力をコントロールしてから考えたらいい」

横島は笑顔で小鳩に話をする


「あんさん達ほんまにタダ者やあらへんな…」

貧乏神は未だに半信半疑だ


「気持ちはわかりますが、これも縁ですから」

貧乏神の気持ちがわかる小竜姫は苦笑いしてフォローする

本来規律に厳格な神族では考えられない事態なのだから



「みんないいですね… 私にはそんな才能無いから羨ましいです」

おキヌは横島達と同じGSになれる才能がある小鳩が羨ましいようだ


「あら、おキヌちゃんも多分霊能力あるわよ? 長年幽霊をしていたからじゃないかしら…」

愛子は何気なくおキヌに霊能力の話をしていた


「えっ!? 私にも霊能力あるんですか!?」

おキヌは驚き横島達を見る


横島達は苦笑いする

おキヌの霊能力の話はまだする気が無かった

将来的に望めば教えようと考えていたのだ

「本当よ。 それもかなり特殊な霊能力があるわ」

ここまで来れば隠すのも難しい為、ルシオラがおキヌに語った


「私にも霊能力が……」

おキヌは信じられないようだ


「花戸さんと違っておキヌちゃんは危険が無いからな… GSにならないなら今のままでいいんだ」

横島は信じられないような様子のおキヌに優しく話していく


「横島、どうせ花戸さんの修行をするならおキヌちゃんにも基礎を教えたら?」

おキヌの様子を見ていたタマモは、この際一緒に修行した方が早いと考えた

おキヌがGSに憧れているのは、わかったのだから


「うーん… 小竜姫どうしようか?」

横島は判断に迷う

おキヌの幸せを考えたらGSになるのがいいか判断がつかなかった


「……一緒に修行をしてもいいと思います。 霊能力、イコールGSとは限りませんし、おキヌちゃんも花戸さんも、若いうちに修行した方が成長は早いですからね」

小竜姫はGSの危険性を知るがゆえに悩んだが、修行は必ずしも無駄にならないと思っている

いつどんな形で役にたつかわからない

ならば今から修行してもいいと思った


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