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卒業の意味

その日の放課後

かおりと魔理は学校内で、横島に関する情報を集めようとするが上手く行かない

GS協会関係者を家族に持つ者や、業界内の噂に詳しい人物にそれとなく尋ねるものの、全ては噂レベルであり信憑性が無いのだ


「結局わかったのは、あの人がGSを辞めたことだけだな~」

学校からの帰宅中、ファーストフードで作戦会議をする二人だが表情は冴えない

オカルト業界のエリートの集まる六女の中なら、もっと具体的な話が出るかと安易に考えていたのだ


「何かしらの問題を起こして辞めたんじゃないんですの? でもお姉さまは優しいからそれを隠してクビにしたとか…」

勝手に噂の好きな部分だけを繋げてかおりは推測するが、それならば何故おキヌがあれほど落ち込んでるかがわからない


「本当にただ辞めただけだったりしてな… あいつヘタレだったろ? GSの仕事が怖くて逃げただけなんじゃねぇの?」

かおりの意見に対して魔理は全く反対の意見を口にする

かつて会った時のかなり情けなかった横島ならば、結局GSに向かないから辞めただけなのではと予想していた

事実六女の生徒の大半も同じような理由でGSを諦めて、霊能関係の他の仕事に着く生徒が多い

霊能関係の企業で一番多いのは六道グループである

六女の生徒ならば、GSよりもそちらの方が遥かに就職しやすいのだ


魔理は、横島もそんな連中と同じでGSから逃げ出した可能性を指摘した


「まあ、普通に考えればそれの可能性が高いですが… それならば何故氷室さんが話もしてないと言ったんですの? 何かやましいことがあったから、氷室さんと会えないのではないですか?」

魔理の話の矛盾点を付くかおり

結局二人は、何故おキヌが横島と話もしてないのか理解が出来ない


「おキヌちゃんってさ~ あんまり事務所の事とか話したがらないよな。 あれだけ立派な事務所なら凄い活躍いっぱいしたんだろうに…」

「自慢するような事を氷室さんが話すと思いますか!? お姉さまの素晴らしさを学校で自慢したら、氷室さんが居づらくなるでしょう!」

事務所の話を一切しないおキヌを不自然に思う魔理

一方かおりは、おキヌが優しい性格なので自慢をしないのだと言い切る


この二人には令子を疑うと言う文字は無い

令子は完璧であり全てなのだ

まあ、六女の令子崇拝は異常だが、一般人から見たら割と令子はこんなイメージである


社会のため、人間のため命を賭けて戦う英雄

そんなイメージがある程度定着している



その後あれこれ話をしていく二人だが、ほとんど無駄話であった

横島のいい情報は令子の活躍のおかげだと決め付け、悪い情報は横島本人の実像であると決め付けている二人では、一向に真実には近付かない

それでも二人は、優しいおキヌに目を覚ましてもらいたくて、横島の真実を求める


そして、中途半端な正義感や親切心の先に待つものを彼女達は知らない



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