このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

その二

そして朝食後、横島はいつも通り学校に登校して行く

カオスは犬飼の捜索を始めるが、横島達や人狼族の追っ手を警戒しているらしく姿を隠したままである


「うむ…、二、三日は動けないのかもしれんの」

カオスは使い魔型の監視カメラを飛ばして犬飼の行動を予測しながら集中的に探すが、一向に見つからない


「結構な火傷は負わせたわよ。 私と魔鈴さんの炎が直撃したもの。 まあ、人狼の超回復じゃあ数日で治るでしょうけどね」

逃げてゆく犬飼を思い出すタマモ

致命傷では無いが軽いダメージでも無く、数日足止めが精一杯である



その頃魔鈴は、シロとジロウの親子を連れて唐巣の教会に来ていた


「人狼族の裏切り者が、人間を襲う為に街に逃げて来たとは…」

驚く唐巣に魔鈴は少し事実と違う説明をしている

未来の関係を話せない為、ジロウとシロが魔鈴の事務所に助けを求めに来たと伝えていた


魔鈴達は犬飼が人間を襲う前に、犬飼と人狼族の関係をオカルト関係各所に伝えるために唐巣の教会を訪れていたのだ

確かな人柄と実績で業界内に顔のきく唐巣に、GS協会の方へ話を通してもらう為である


「人狼族は人間との争いを望みませぬ。 どうかお力をお貸し下さい」

魔鈴の貸した精霊石で人間の姿をしているが、ジロウは着物姿である

シロはケイの服を借りて人間の服を着ているが、ジロウに合うサイズの服が無かったのだ


「私も協力しよう。 GS協会の方には私から話を通しておこう。 人狼族からの正式な依頼と言うことだし、人狼族と人間の関係を悪化させないように出来るだろう」

深く頭を下げるシロとジロウに唐巣は力強く答えた


「すいません神父。 よろしくお願いします」

「任せておきたまえ。 人狼族の気持ちは多少なりとも理解出来る。 家にもピート君が居るからね」

再度頭を下げる魔鈴に、唐巣は笑って協力を約束する

この辺りの人柄の良さが、唐巣の業界内においての立場を押し上げる要因になっていた

GS協会や六道家の信頼が厚い唐巣の元には、業界関係者からの相談も絶えないのだと言う



そして唐巣の教会を後にした魔鈴達が次に行ったのは、オカルトGメンであった


「人狼族の裏切り者か… しかし、その八房とは厄介だな」

唐巣への説明と同じように、人狼族の裏切り者をジロウとシロが捕まえに来たと魔鈴は説明していた

西条は犬飼が人狼族からも追われる存在だと理解して、今回の件での犬飼の行動の責任が人狼族とは無関係だと確約する


そんなあっさり確約した西条に、未来を知るシロは少し驚いていたが

この辺りは、この時代に来てからの横島や魔鈴と西条の関係を知らないゆえ仕方ないだろう


横島との間に確執が無い上、西条としては美衣とケイの時に借りを作っているので断れないと言う事情もあるのだが…

それを抜きにしても、個人的感情を抜きにすれば今回のような件は協力するだろう


しかし、未来では常に横島側の視点で西条を見ていたシロは、かなり西条のイメージが悪かった


一方西条は、すでに犬飼を見つけ捕まえる方法を考え初めている

38/100ページ
スキ