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ただ今修行中!?

「ああ、ええよ。 一人や二人増えても変わらんしな。 俺は忙しいから案内出来んけど、マネージャーに頼んどくから」

愛子の頼みを銀一が快く引き受けると雪之丞やタイガーまで行きたいと言い出して、結局ピート意外の全員が行く事になる

ピートはテレビを見ないため芸能人を知らなく、イマイチ興味が無いようであった


そして次の日に戻り、横島達は撮影の見学のために都内のスタジオに来ているのだ


「お久しぶりっす。 今日はお世話になります」

「いや、この前は本物の除霊を見せてもらったからね。 今回はゆっくり撮影を見学して下さい」

人のいいマネージャーに案内されるまま横島達は撮影所内を見学していくが、そこはまるで別世界のようである

映画のスクリーンには映らない、大勢のスタッフが忙しそうに働いていたのだ


「すごい人の数ね。 でも、みんな疲れてるのは何故かしら?」

「撮影が予定より遅れてるから、スタッフは徹夜続きなんですよ。 昨日も近畿君の撮影は休みになったけど、他の場面は撮影してたからね」

疲労困憊のまま働く人間を不思議そうに見ていたタマモに、マネージャーは疲労の理由を説明していた

しかしタマモは何故そこまで働くのか理解出来ない

タマモが現代に転生してから数年たつが、周りであそこまで疲労した人間が働く姿は見た事が無い

唯一美神事務所に居た頃の横島は似たような形で疲労を溜め込むほど働かされていたが、あれは横島が進んで働いた訳ではないしタマモやシロの為に我慢していたのだ


(唐巣神父もよく疲れた顔とかしてるけど、あの人は別の意味で普通じゃないし……)

目の前のスタッフ達は、ある意味タマモが今まで関わってきた人間とは別の人種に見えていた


「そんなに不思議なの? 学校でもギリギリまで頑張るのは普通にあるわよ?」

「ん~、なんでそこまで無理するのかがわからないかな」

同じ妖怪でも学校に生きる愛子は、特に不思議には感じないようだ

下手な人間よりも人間を知る妖怪なだけに、仕事の意味や人間のしがらみなど理解しているようである


「みんな修行しているのではござらぬか?」

「シロ、修行と仕事は別だ。 第一、普通の人間は修行なんてしねえよ」

頑張るスタッフを見て新手の修行かと考えてるシロに、雪之丞は苦笑いをして現状を教えていく

関わる人間の数が少ない事と、オカルト関係者が多いシロもまた現実をあまり知らなかった


(二人共いい勉強になってるみたいですね)

タイプは違うが共に人間社会に疎いタマモとシロの姿を見て、魔鈴は密かに笑みを浮かべている

タマモとシロを人間社会で生きて行けるように教え導く

それが横島と魔鈴の思惑なのだから

今回は銀一の思いつきによる偶然だが、魔鈴はタマモとシロに普段は見れない世界を見せるいい機会と考えていた


「人間ってくだらない事考える天才よね~」

撮影の仕事に関する一般的な話を愛子に聞いていたタマモは、映画に賭けるエネルギーの凄さに驚いている

デジャヴーランドでも感じたが、人間の文化や社会は妖怪からすれば想像を越えるほど不思議らしい


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