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二年目の春

一方説明を受けた高畑は唖然としていた。

気配や力を周りと同化させるなどどうすれば出来るのか高畑ですら分からない。

横島は簡単なコツのようにアッサリと説明するが、武道系の人間でも普通は気配を消すものだと教わるし一体どうすればそんな器用なことが出来るのか不思議で仕方なかった。

結果として強さの次元が違うと高畑は素直にその力の差を認めることになる。


「もう一度いいかい? 今度は本気でいかせてもらう。」

「いつでもいいっすよ。」

そしてその力の差に何か感じるモノがあったのか、高畑はもう一度手合わせをしたいと告げると最初から咸卦法を使い戦闘体制に入った。

相変わらず緊張感がないような横島に高畑は手加減の必要はないと理解したからか初っぱなから豪殺居合い拳を繰り出すも、高畑の豪殺居合い拳は横島と高畑の中間地点で何かに衝突したかのように爆音をあげて爆発してしまう。

しかも今回は姿を消してなく横島は一切動いてないにも関わらずだ。

それが何かを見極めようと高畑は次から次へと豪殺居合い拳を繰り出していくが、何度か同じことを繰り返している間に高畑は豪殺居合い拳が爆発する瞬間その場所に六角形の小さな光の盾が現れることに気づく。


「光の盾?」

「力を物質化したものっすよ。 その咸卦法を使った居合い拳は凄いですけど防ぐのはそんなに難しくないですしね。」

思わずその小さな光の盾のことを呟く高畑に横島は再び説明をしながら実演して見せるが、それは横島がかつて霊力に目覚めて最初に会得した技であるサイキックソーサだった。

しかも元々シンプルで簡単な技なため、現在の横島がサイキックソーサを使う場合は形は元より展開する場所すら自由自在に出来る。

今回横島は高畑の居合い拳に合わせて、中間地点にサイキックソーサを瞬時に展開しただけであった。

ちなみに離れた場所にサイキックソーサを使うのは意外に便利で横島は対神魔戦でも時々使っていたが。


「今度はこっちからいきますね。」

高畑にとって虎の子とも切り札とも言える豪殺居合い拳を防いだ横島であるが、サイキックソーサの説明を終えると今度は珍しく自分から仕掛けると告げると少し意地悪にも見える笑みを見せる。

何か嫌な予感でもしたのか高畑はそれに合わせるように緊張感に包まれるが、次の瞬間には驚愕の表情を浮かべていた。


「……そんな。 まさか君が居合い拳を使えたなんて。」

その瞬間高畑は瞬時に豪殺居合い拳を使い横島の攻撃を迎撃したが驚きは今までで一番かもしれなく、それもそのはずで横島の攻撃は高畑の豪殺居合い拳そのものだったからだ。

咸卦法を使った形跡もなく突如繰り出された豪殺居合い拳は高畑は元よりガトウよりも若干ではあるが技の完成度は高いかもしれない。

今回高畑が迎撃出来たのは先程シミュレートされたガトウと戦っていたからだろう。


「居合い拳は初めて使いましたよ。 さっきから何度も見てますからね。 真似するくらい出来ますよ。 元々シンプルな技ですしね。」

横島が居合い拳の使い手だったと誤解した高畑の驚きは、横島が居合い拳を高畑のを見て真似したと説明すると更に大きくなる。

ぶっちゃけ横島としては昔GS試験で雪之丞にサイキックソーサを真似された経験もあるので、ちょっと驚かそうとしただけだが高畑が予想以上に驚いたので横島も少し意外そうな表情をしていた。



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