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二年目の春

「これは!?」

「私も知らないけどやるわよ。」

さて刀子と刹那の目的は実戦経験を積むことであるため、比較的低レベルの妖魔が相手で最初はかつてメドーサが眷属にしていたビックイーターである。

六匹ほどのビックイーターが現れ四方から刀子と刹那に襲いかかるが、流石に神鳴流の二人の相手としては力不足であろう。

ただ事前情報の全くない魔物なだけに二人は慎重に戦っていく。


「瞬殺かぁ。 二人とも強いな。 次はどうすっか。」

一方横島は例によって刀子と刹那のデータを解析しながら戦いを見守っていたが、追加で送ったビックイーターも含めて瞬殺したことに感心した様子だった。

もちろん横島も二人がビックイーターごときに苦戦するとは思ってなかったが。

元々ビックイーターは令子に雑魚と言われた程度の存在なので攻撃を受けたら石化する以外は怖くはない。

しかし男性であり実戦経験が豊富な高畑と違い女性である二人の対戦相手は横島も結構悩んでいたりする。

しかも少女達が見物してるのであまり厳しい相手やグロい相手なんかは出せない。

とりあえず二人が苦戦しない程度の雑魚を出していきしばらくお茶を濁すことにする。


「高畑先生も刀子さん達も凄いね。」

そして高畑に続き刀子と刹那の戦いも見ていた少女達だが、高畑の戦いよりは分かりやすい刀子と刹那の戦いに驚き歓声をあげて楽しんでいた。

高畑の場合は居合い拳が一般人には何をしてるのか見えなかったこともあって、一応見える神鳴流の戦いの方が見てる分には楽しいようだ。


「次はマスターかエヴァちゃんがやるの?」

「いや、俺は別にやらんでもいいんだが。 エヴァちゃんはやるか?」

気分的には格闘技の試合か映画を見てるようでいまいちリアルさは感じてない少女達であるが、桜子がふと次は横島かエヴァかと期待を込めた様子で尋ねるも横島は相変わらずやる気がないらしくエヴァはすぐに答えなくどうするか少し考えてるようだ。

正直この能天気な少女の見世物になるのは少し抵抗があるようだが、霊動シミュレーター自体は興味があるらしい。


「あの、私も挑戦したいのですが。」

「えっ!? 茶々丸さんもやるの? 大丈夫?」

シミュレーター内では先程から低レベルの鬼の集団と戦う刀子と刹那の姿があるが、次どうするか決まらない中で意外にも茶々丸が挑戦したいと言い出し少女達を驚かせる。

なんというか戦いには縁遠いように見える茶々丸だけに意外だったらしい。


「俺は別にいいけど。」

茶々丸が何を考えているのかなんとなく理解する横島はエヴァを見て反対意見がないことを確認してから許可を出す。

もちろん茶々丸自身も力で解決しようなど考えてないだろうが、茶々丸自身稼働初期の運用テスト以外の戦闘経験が全くないだけに一度試してみたいとは思うようだ。


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