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平和な日常~冬~6

その夜は2ーAのクラスメート達でクラス別テスト順位の六位入賞のお祝いパーティをすることになった。

六位がお祝いするような順位なのかはともかくとして、今年に入ってからはクラスでパーティをしてないのでそろそろパーティをしようということになったらしい。

場所は当然横島の店で超と五月も料理を振る舞うのは最早恒例と化している。

相変わらず食事が中学生のパーティのレベルでないとのことで日頃クラスメートと絡まない千雨やエヴァも参加するので、何気に2ーAの全員が集まるのが横島の店でのパーティの特徴であるが。

ちなみにエヴァはもうテストすら受けてなく最早学校には二度と行く気はないらしい。

彼女に関しては今更中学を卒業しても何かが得られる訳でも変わる訳でもないので当然の選択なのだろう。

木乃香達との関係は良くもないが悪くもなく時折タマモを経由して夕食に誘うと木乃香達が居ても来るようになっていて、一緒に食事をする程度には親しいというか拒否してない状態だった。


「和解したというよりはリセットしたと言った方が適切のようだな。」

さてそんなこの夜のパーティであるが店の隅では龍宮真名と刹那が夕食を兼ねて参加してるようで料理を食べながら話していたが、真名は以前とあまり変わらない刹那と木乃香の関係を少なからず気にしているようである。

長い間一方的に避けてきたツケとも言える結末であるが、二人の関係は未だに以前より幾分良くなった程度だった。

木乃香としては積極的に挨拶はしていたが、相変わらず受け身で反応がイマイチ良くない刹那に自分からはそれ以上踏み込めないでいる。


「別に私はお嬢様が幸せならそれでいい。」

「なんというか、ストーカーみたいだな。 正直周りから見てると重いぞ。」

対する刹那も相変わらず木乃香が幸せならそれでいいというスタンスであり、日々幸せそうな木乃香の現状に自分が加わる必要を感じてないらしい。

まあ心の奥底の本音はまた違うのだろうが、今まで一人で潜んで生きていたのを突然変われるほと刹那は器用ではない。

真名には重いと一言で切り捨てられていたが。


一方もう一人横島達に関わらない筆頭と言える長谷川千雨であるが、彼女もまた店の隅で一人食事をしていた。

元々人とつるむのが苦手でクラスメートの中でも常に一人で居る事の多い彼女にとって、常に騒がしい騒動の中心に居る横島は苦手なタイプである。

尤も個人的に好き嫌いと言うほど関わりすらなく、特に夕映やのどかなどの元々は大人しいクラスメートが横島と関わり変わる姿を端から見ていただけに警戒心が先行する形だった。

ちなみに千雨は横島が芦コーポレーションのオーナーでありそれなりの資産家である情報を早くから得ていて、基本的に金持ちの道楽者だという印象が強かったりする。

それと余談だがインターネットに精通していてネットアイドルの『ちう』として密かに活動する千雨は、芦コーポレーションのSNSカグヤを2ーAで一番利用してる少女でもあった。

まあ普通に利用する以外にも密かに何度かハッキングを試みるもことごとく失敗していたりするが。

本人いわくバレてないはずと思ってはいるが、当然ながら土偶羅にはバレていて軽く警戒されてもいる。

あと千雨も刹那同様に地味にタマモが苦手なタイプであり、当然のように無邪気な笑顔を見せるタマモにどう対応していいか分からず戸惑うことが多い。

ただタマモとしてはそこまで気にしてないので普通に話しかけたり挨拶しているだけだったが。

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