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真の歴史へ

「土地は荒れ、困った藩主は高名な道士を招いて、死津藻比女の退治を依頼したのです…」

神主は険しい表情で話していた

雪之丞やおキヌはすでにおキヌに関係あるのを理解していた


「退治は不可能ではありませんが… それには人身御供が必要でした。 道士は妖怪を封じる装置を作り、それに命を吹き込むために、一人の巫女を地脈の要に捧げました。 この神社はその巫女を祭っております。」


神主が話終わると、おキヌは下を向いてショックを受けていた…


「おキヌちゃん… 気をしっかり持って! 私達がついてるわ…」

ルシオラは優しく微笑んで、おキヌを抱きしめた

「ルシオラさん…」

おキヌは涙ぐみながらルシオラを見た

それはうれし涙だった

自分の気持ちを理解して、優しく抱きしめてくれた

幽霊の自分にも伝わる温もりと優しさに思わず涙が出ていた


不思議そうにおキヌやルシオラを見ていた神主に、横島は静かに話し出した


「俺達が退治しに来たのは、その死津藻比女でしょう… 最近、死津藻比女らしき妖怪の力を感じました。」
 
横島が話すと神主は驚いて見ていた

「そんな… 死津藻比女は封じられたはず…」

神主は信じられないといった表情で見ていた

「一年ほど前、この辺りに来たGSが居ました。 そのGSは浮遊霊だったおキヌちゃんを保護しました。 その時、地脈と繋がっていたおキヌちゃんを切り離してしまった… それによって死津藻比女は復活したと思われます」

横島は険しい表情で話した

「では… その幽霊の人が人身御供になった巫女なんですか!?」

神主は驚いておキヌを見てた

おキヌは神主に申し訳なさそうにしていた…


「はい… すいません」

おキヌは言葉少なに話した

「おキヌちゃんが気にする必要はないよ。 300年も幽霊をやってれば、生きてた時のことなど覚えてるはずはないからね…」

横島は優しく話した

そして、神主を見て再び話し出した

「私達は死津藻比女を退治します。 神主には申し訳ないですが… しばらく家から出ないで下さい」

横島は頭を下げた

「我々はいいですが… 死津藻比女を倒せるんですか!?」
神主は不安そうに聞いた

「大丈夫です。 俺達はその為に来たんです…」

横島は自信をもった笑みで答えた


「横島さん、ではこの付近を調査しましょう」

小竜姫は立ち上がり話した

「そうだな… おキヌちゃんと神主さん達は決して神社から出ないで下さい。」

横島は真剣な表情で神主一家とおキヌに話した

「はい、わかりました」

神主は少し緊張した表情でそう話した


「おキヌちゃん… 何があっても私達を信じてね。」

ルシオラはおキヌを見て話した

「はい、皆さんも気をつけて下さい」

おキヌは心配そうに横島達を見送った…

屋敷を出た横島は、ルシオラとおキヌの遺体がある場所に向かった


小竜姫とタマモと雪之丞は神社に残って、結界の防衛に当たっていた…


「しかし… 人身御供を使わないと倒せないとは… 死津藻比女はどんだけ強いんだ?」

雪之丞は神社の境内で死津藻比女が来るまで待機していた

その時、不機嫌そうに聞いた


雪之丞は身近なおキヌを人身御供にした道士に、微かな怒りを感じていた

「死津藻比女は地中に潜む植物型妖怪です。 並の方法では退治出来なかったのでしょう。 300年も維持する結界を作った道士です。 実力は確かでしょう…」

小竜姫が雪之丞の疑問に答えた

「しかしな~ おキヌが犠牲にされたと思うとな…」

雪之丞は悔しそうに話した

「大丈夫よ。 おキヌちゃんは、私達が助ければいいのよ」

タマモは自信に満ちた笑顔で話した

「ああ… 仲間だからな… 絶対助ける」

雪之丞は拳を握りしめて話した


タマモと小竜姫はそんな雪之丞を見て、頼もしく感じていた

いろいろ未熟だった雪之丞だが、実力も精神面も確実に成長していた

さすがに未来では、横島のライバルを名乗っていただけはあると、二人は感心していた

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