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その二

ネギは呪文を唱え終えると、魔法を放たずに再び茶々丸に格闘を挑んでいった


茶々丸はネギがいつでも魔法を放てるのを理解しており、魔法に細心の注意を払いながらネギと戦っていた


戦いは先ほどと同じ中国拳法だが、ネギは魔法を準備した右手は使わなかった


「遅延呪文か…」

エヴァはネギを見て呟いた

エヴァにはすぐにわかっていたのだ

ネギが呪文をすぐに発動しなかった理由が…


そして、横島も呪文が完成したのは見えていたが、どんな方法で発動しなかったのかはわからなかった

だがエヴァの呟きを聞いて、その方法を理解していた



ネギは全力で茶々丸に、必死に拳法で攻撃をしていた

一瞬のタイミングを探して…


ネギの実力では遅延呪文で魔法の発動を遅らせれるのは、わずか20秒

それがネギの残された時間だった


防御中でもいいから、茶々丸に直接魔法を放てば、確実に当てられる

ネギそれを狙っていた


(ネギ先生は、遅延呪文でくるのですね…)

肝心の茶々丸はネギの意図を見抜いていた

エヴァの従者である茶々丸には、基本的な魔法知識が入っていた


そのため茶々丸は、先ほどとは違いネギの攻撃を全てかわしていた


(クッ… もう時間が…)

ネギは残された時間が無いのを悟り、茶々丸に最後の攻撃をしかけた


「解放! 魔法の射手・戒めの風矢!!」

ネギは自身の最速のスピードで、茶々丸に最も近づいて魔法を解放した


「無駄です!」

茶々丸は瞬時にジェット噴射で、真上に飛んだ!

だが戒めの風矢が、茶々丸に飛んでいく!!

茶々丸はそのまま、魔法を放って無防備だったネギの後ろに飛んで行った


迫り来る戒めの風矢に、茶々丸はネギを盾にしていた


ガシッ!!


戒めの風矢がネギを捉えて、ネギは動けなくなった


「そんな…」

ネギは奥の手の遅延呪文を、見事に返されて言葉も無かった


「ネギ、一次試験は終わりだ!」

ネギの戒めの風矢が解けると、横島はネギに試験の終了を告げた


残念そうな、明日菜やのどか

そして、戦いを見守っていた木乃香達も、ネギと茶々丸の元に行った
「まだ、戦えます!」

ネギはやる気を見せて、横島やエヴァにアピールした


「これ以上は無駄だ、ぼーや。 それに、実戦において何度もチャンスがあると思うな! 茶々丸が敵なら、お前は二度死んでいる」

エヴァは険しい表情でネギに現実を告げた


「結果は次の二次試験と合わせて判断する。 とりあえず今夜は終わりだ」

横島は納得がいかないネギに次の試験を告げた


「わかりました! まだ可能性があるなら、次に全力で挑みます!」

ネギは強い言葉と眼差しで、横島とエヴァを見た


「ところでネギ坊主、最後のアレは何アルカ?」

「えっ…!?」

横島とエヴァを見つめて、やる気を見せていたネギの顔が真っ青になった


ネギはすっかり忘れていた

古、まき絵、楓と言う魔法を知らないメンバーが見ていたのを……


楓は本当は知っていたが、無言で見ている

「そうそう! 凄いね~ 茶々丸さんは飛んでたし、ネギ君は不思議ことしてたよね! まるで、魔法みたいだったよ!」

まき絵は初めてみたネギの魔法に、目を輝かせて驚いていた

偶然にも、まき絵はネギの放った戒めの風矢を魔法みたいだと感じていた

バカピンクは頭は悪いが、感は鋭かった!

「えっ!? いや… あの魔法は…」

ネギは真っ青な顔で言い訳をした


「本当に魔法アルカ!?」

古は驚いてネギに聞いた


「馬鹿ネギ! 魔法がバレたらマズいんでしょ!!」

明日菜は慌ててネギの口をふさぎにかかるが…


自分が大声で言っていた


「あう… どうすれば…」

のどかはオロオロして、横島を見ていた


横島とエヴァは呆れており、木乃香達は苦笑いを浮かべて見ていた


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