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その二

横島達が門を潜り屋敷の敷地内に入ると、そこは別世界のように神聖な気配に包まれていた


「凄いですね… これほど神聖な結界を張ってあるとは」

「こんなに強力な結界初めてだわ」

「凄いですノー」

ピートと愛子とタイガーは、いち早くその結界に気が付き驚愕している


「私は何も感じないけど、そんなに違うの?」

そんな中一人だけ一般人の加奈は、不思議そうにそんなピート達を見つめながら横島と魔鈴に問いかけた


「並みの神社や神殿より神聖化された空間だな… 気をつけないと、愛子はペンダントを外せばダメージを受けるぞ」

横島の言葉に愛子の顔色が悪くなる

まさかそれほど危険な場所だとは思わなかったらしい


「大丈夫ですよ。 そのペンダントには強力な魔法をかけてます。 外さない限りは安全です」

怯えた様子の愛子を魔鈴が慰めつつ、横島達は屋敷内の部屋に案内された



「では改めまして、私は土御門雅也です。 先ほどの事は申し訳ありません。 伝承に伝わる強さが本物かどうしても気になりまして」

涼しげな表情で語ってゆく雅也
 
一応謝ってはいるが、あまり申し訳なさそうな表情ではない


そんな中、横島と魔鈴が引っ掛かったのは伝承と言う言葉である


「伝承とはなんでしょう…?」

雅也の表情を伺いつつ魔鈴は疑問をストレートにぶつけた

本物の土御門家の人間なら自分達の敵では無いだろうとある程度確実しているようだ


「我が家は古くから様々な秘術を用いて、この国を裏側から支えて参りました。 すなわち、歴史から抹消された歴史の真実も数多く残っております」

雅也の語られる言葉に横島と魔鈴の表情が微妙に変化する

まさか自分達が未来から来たことを知られているのか…?

横島と魔鈴は警戒感を強めながら話に耳を傾けていく


「さて、この刀を手に持って下さい。 あなたが伝承にあるこの国を救った者なら、刀が答えてくれるはずです」

雅也が横島の前に置いたのはかなり古い刀である

日本刀と呼ぶことさえ出来ないほど古く、まるで骨董品のような品物だ


横島はその刀を警戒しながら見つめるが、危険は無いようなのでゆっくり刀を手に持つ


ピカッー!!


横島が刀を持つと、刀から凄まじい光が放たれる


「これは…」

光と共に強い霊力も溢れ出しており、その刀が霊刀なのを横島は悟る


『久しいな… 横島殿に魔鈴殿』

刀から溢れ出す光に魔鈴やピート達が驚く中、まるで幽霊のような姿をした老人が現れた


『わしが誰かわからぬか? あれから随分変わったからの…』

僧侶のような姿をした老人は懐かしそうに横島と魔鈴を見つめる

一方横島と魔鈴はこの老人を思い出そうとするも、やはり見覚えが無い


そんな中、老人の姿はゆっくり変わってゆく

そして現れたのは……

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