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GS試験再び……

一回戦が終わった雪之丞とタイガーは、横島達とエミと一緒に魔鈴の店に戻っていた

二次試験の日程は例年通りで、明日が二回戦から決勝までになる


「二人共、一回戦突破おめでとう」

店に戻った横島達は魔鈴の料理で夕食にしていた

前祝いと言う訳では無いが、二人共順調に勝った事で軽く乾杯している


「エミさんのメンツを潰す結果にならなくて、よかったですジャー」

試験参加を決めて以来冴えない表情が続いていたタイガーは、一回戦負けと言うプレッシャーから解放されて幾分明るい表情である


「タイガー、試験は自分の為にやるワケ。 私のメンツやプライドは関係無いわ」

何かある度にエミのメンツやプライドを気にするタイガーに、エミは険しい表情で説教を始めた

確かに前回の試験では令子との関係上メンツにこだわったが、あれが全てではない

多少は気にする必要はあるだろうが、タイガーの場合気にしすぎだと思っている


「すいませんですケン」

「勝っても負けてもいいから、自分の為に全力を出しなさい」

申し訳なさそうに謝るタイガーに、エミは厳しい口調で言い聞かせていく


タイガーの場合は周を気にしすぎだった

エミや魔理を気にしすぎて、それによってテンションの上下が激しい

まあ周りを気にする事も大切だが、時には自分の為に戦い進む力がなくてはならないのだ


「タイガーも強いんだからさ、自信を持って行けば絶対大丈夫だって!」

再び落ち込みそうなタイガーに、横島は自分の事を棚に上げて励ましていた


(自信を持たなきゃダメなのはお前の方だよ)

他人の事になると自信を持てと簡単に言う横島に、雪之丞は思わず引き攣った表情を浮かべてしまう

そしてそれは魔鈴やタマモ達も同じ気持ちであり、みんな微妙な表情で横島とタイガーを見ていた


「うん? どうしたんだ?」

「なんでもありませんよ。 さあ、どうぞ召し上がって下さい」

みんなの微妙な空気に気が付いた横島は不思議そうに尋ねるが、魔鈴はその疑問には答えずに夕食を進める

雪之丞とタイガーは明日も試験だし、これ以上何かを言ってもいい結果に繋がらないのだ

それに横島の自信は過去やルシオラとも関係するので、簡単に言える事ではない

一歩間違えれば横島を傷付ける結果になるだけに、魔鈴でも安易に言える事ではなかった


夕食後、エミとタイガーと雪之丞は早めに帰宅して行く

霊力の回復には睡眠は大切であり、体調を整えるのも試験には必要な事である


そして魔鈴宅では、横島と魔鈴が二人でテレビを見ていた

特に見たい番組があった訳では無いのだが、シロとタマモが散歩に出かけた為に二人っきりになっている


(大丈夫そうですね)

昼に西条に会った件で横島が心配だった魔鈴とタマモとシロは、横島の本心を探るために魔鈴と二人っきりにしていたのだ

そんな状況で二人はソファーにくっついて座っており、魔鈴は気持ち横島に寄り掛かっている

お互いの温もりと心地良さに二人は、テレビに視線を向けながらも内容は見てない状態であった

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