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あの素晴らしい日々をもう一度

「おおっ!? 相手は結構美人だ!!」

さて小竜姫とイチャイチャしている間に横島は二回戦の時間になってしまう。

期待と不安で挙動不審気味な横島だが、対戦相手を見るとやはりテンションが上がる。

しかし次の瞬間には焦ったように小竜姫の方を見る辺り、自分の立場は自覚してるらしい。


「いきます!」

さっそく試合は開始するが、史実と違い横島は九能市に突っ込みはしなかった。

相手が美人なので表情は緩んでいるが、やはり小竜姫が気になるのだ。

理性と煩悩の狭間で一応自制出来たらしい。

そんな訳で横島は突っ込まなかったが、九能市は歴史と同じく羽織っていたマントを横島の目隠しにして霊刀で斬りかかる。

しかし一回戦同様に心眼が結界を張ると九能市の霊刀は一撃で折れてしまう。


「うわっ、すんません。 大丈夫っすか?」

一撃で簡単に折れた霊刀に九能市は呆然とするが、横島も驚いて謝っていた。

顔色を青くする横島は、霊刀を弁償しなきゃダメなのかと不安になったようだ。

一回戦同様に結界の為に不安はあまりないらしいが、同じく緊張感もない。
 
 
「クッ、こうなったら……」

ボンクラそうな横島の結界に一撃で霊刀が折れて呆然としてしまった九能市だが、戦意も緊張感もまるでない横島に苛立ったようで霊的格闘に移行する。


「おおっ!」

そのまま今度は上着を脱ぎ捨てた九能市に横島は興奮するが、残念ながら九能市では心眼の結界は破れない。

緊張感のないスケベそうな視線に晒されながら結界に挑む九能市だが、やる気の全く見えない横島にまるで歯がたたないまま不快な視線に晒されるのに我慢出来なかったらしくギブアップして二回戦は終わる。


「横島選手GS資格取得!」

「……本当に資格取っちまったよ」

試合も終わり審判は横島のGS資格取得を宣告するが、横島は相変わらず緊張感がない。

一応喜んではいるが、苦労がない分だけ実感も薄かった。



「あの結界反則だわ」

「私の竜気を用いた結界ですから。 はっきり言えば試合場の結界よりずっと強力です。 試験に限定すればミカ・レイさんでも力技で破るのは無理ですよ」

一方横島の試合を見ていた小竜姫とミカ・レイ姿の令子だが、一回戦同様に強力な結界を張る心眼に令子は呆れていた。

何より小竜姫は横島を絶対に危険に晒すつもりはなく、本当に安全にGS試験を取らせるつもりなのだ。

ニッコリと自信に満ちた笑顔で試合を見守る小竜姫の本気度に、令子の表情は引き攣っている。


「小竜姫さま!! 勝ちました!」

「よく頑張りましたね。 残りの試合もこの調子でいきましょう」

さてそんな小竜姫と令子の元に横島が戻ってくるが、小竜姫は何もしてない横島を褒めていた。

どうやらこのまま横島を褒めてその気にさせて、試験を続けさせるつもりらしい。

ぶっちゃけ横島は試合では立ってるだけでいいので、試合をする気にさせればそれでいいのだろう。

小竜姫の非常識さに令子は深いため息をつくが、まだ小竜姫が参加するよりはマシだと考えるしかなかった。



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