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平和な日常~冬~4

それから夜が更けると新年会の招待客は完全に帰っていくが残っていたのは、那波家の人間に横島・さよ・タマモ・木乃香・明日菜・夕映・のどか・美砂・円・桜子・ハルナ・夏美と夕方にやって来た近右衛門と刀子だけであった。

横島はこの日は雪広邸に泊まることにしていて上手く話して一緒に残したはこのあと魔法について明かす面々である。

ちなみにハルナと夏美に関しては横島や木乃香との微妙な距離から今回情報を明かすか一番難航した二人だが、最終的には一緒に明かすことにしていた。

特にハルナは麻帆良祭で18禁本を販売して学園側から注意人物にされているので近右衛門達は結構悩んだらしい。

正直隠した方がいいかとの話になりかけていたが、最後の最後に横島が加えた方が後々に面倒がおきないと言うと結局は加えることになっている。

まあ横島とすれば面倒な人間には昔から慣れてることと木乃香達がハルナにいつまでも隠せるとは思えなく、それならばいっそのことハルナを隠す側に回した方が木乃香達の負担も減るし外に秘密が漏れる可能性もグッと減ると考えたようだ。


「やあ、待たせたかな?」

そして最後のメンバーは今到着したばかりの高畑とエヴァである。

この二人に関しては魔法は当然ながら知っているので後は横島の秘密を明かすだけなのだが、実は近右衛門はこの二人は安易に明かすのは危険だとも言ったが元々横島の秘密なので最終的には横島の意見を通していた。


「あれ、高畑先生? パーティもう終わっちゃっいましたよ。 ってかエヴァちゃんも来てるし。」

この時近右衛門と刀子を除く横島達は雪広邸の遊戯室で遊んでいたが、高畑とエヴァが揃って入ってくると少女達は一応に驚きの表情を見せる。

すっかりパーティが終わってから来たのが不思議であるし、何よりほとんど学園に来ないエヴァが来たことが驚きであった。


「こんな時間から何を始める気なのです?」

「なぜすぐに俺に聞く」

「高畑先生は待たせたかなと言いました。 つまりこの中の誰がが二人を呼んだのでしょう。 しかし高畑先生の性格上本当に遅れたら素直に謝るでしょうから、つまり遅れてないということです。 そしてこんな時間にいいんちょの家に高畑先生とエヴァンジェリンさんを呼び出すのは横島さんの他には考えられませんよ。」

予期せぬ二人が来たことで明日菜や美砂達は不思議そうにしながらも高畑の元に駆け寄るが、夕映は迷うことなく横島を見つめるとこんな時間から何を始めるのかと確信を持った様子で尋ねる。

そのあまりに早く確信を持った様子の夕映に横島は何とも言えない表情で少しはぐらかしてみようとするも、あっさりと論破されてしまう。


「おしいのう綾瀬君。 確かに横島君は無関係ではないが今日このメンバーを集めたのはわしらじゃよ。」

しかし夕映の問い掛けに答えたのは高畑達が来たと聞いて遊戯室に入って来た近右衛門であった。

夕映の成長が嬉しいのかそれともこれからの展開が楽しみなのか意味ありげな笑顔を見せる近右衛門に続き、雪広家の人々や那波家の人々が続々とやって来ると流石に夕映も事態を理解出来ないらしく無言になる。


「悪巧みをするなら夜が一番だからな。 ほらよく言うだろ。 赤信号みんなで渡れば怖くないってな。」

「横島君、適当なことを言わんでくれ。 これから話すことを誤解するじゃろうが。」

一体何が始まるのかと期待と不安の入り雑じった少女達であるが横島と近右衛門はいつもと同じ様子であり、まるで示し合わせたかのように意味のない会話をしていく。


「えっ、木乃香のお父さんとお母さん?」

そして近右衛門達より少し間が空いて京都に住む木乃香の両親である詠春と穂乃香が揃って部屋に入ってくると、最早これから起きることは普通ではないと誰もが理解する。

まあ中には期待に瞳を輝かせてる者もいるが。

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